惑星戦記ナイデニオンのレビュー・感想・評価
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SFXは健闘、しかしストーリーは・・・
ドイツのSF(SFX)映画好きが中心となって、15年もの歳月をかけて制作された、半ば自主制作的な作品。SFXだけを見れば4以上の評価ができるが、残念ながらストーリー(ドラマ)展開のレベルが低く、全体としてはあまり高い評価はできない。
以前日本でもDAICON FILMが作った「八岐之大蛇の逆襲」という自主制作作品があり、レンタルビデオで観たが全体の完成度はもっと高かった。またアニメではあるが新海誠がほとんど一人で作った「ほしのこえ」もレンタルDVDで観たが、これも完成度は非常に高かった。
「SFXファンが損得抜きで取り組んだ熱意の結集」、「完成まで15年を費やした労作」などはこの際関係ない。自主上映やネットでの公開ならこのSFX映像を創り上げたことだけで大いに称賛されるべきであろうが、劇場で一般公開する以上他の作品と比べられ、その入場料に見合った内容であることが求められるのは当然である。思うにスタッフはこのSFX映像を完成させたことで自己満足してしまったのではないだろうか。
この作品で最も弱いのはストーリーで、57年続いた星間戦争終結のために開かれる和平会議を妨害しようとする勢力と、それを阻止しようとする主人公側の戦いを描くのだが、ヒーロー、ヒロインともに魅力に欠ける(演じるは監督とその妻)し、そこへ至る過程も平板で、手に汗握るということがない。せっかくの戦闘シーンもやたらミニチュアを大写しで見せるだけで、「マクロス」や「ギャラクティカ」と比べれば迫力に欠ける。また特命大使という触れ込みのシンシア(実はアンドロイド)を充電する時の電源が普通の家庭用コンセントであったり、和平交渉の舞台である戦艦に仕掛けられた爆弾を止めるのに赤のコードを切るか青のコードを切るかで迷うなど、およそ失笑するしかないシーンもある。
よくできた映画は2回以上観たり、DVDの発売を心待ちにしたりするものだが、この作品については残念ながらそんな気持ちにはなれない。
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