ムサン日記 白い犬のレビュー・感想・評価
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胸詰まるラストに息もできない
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凄い映画を観てしまった。
映画評の多くがラストを“衝撃”と形容、ガーン!という衝撃を想像していたが違った。それは、じわじわ伝わってきた。
不器用で生真面目なオカッパ頭の青年は脱北者である為にまともな職に就けず、安賃金のポスター貼りも上手くこなせない。同業の若者達に絡まれ、殴られても抵抗できない。同居の脱北者はズル賢く稼いでいるが、彼は正直であろうとする。
そんなオカッパさんが拾った白い子犬。真っ白な小さな命が彼に寄り添っても、生きる苦しみは変わらない。
手ぶれの多い映像が貧困の中でもがく姿をリアルに感じさせる。
前半のオカッパさんは融通きかないけど可愛らしく、世話してあげたい気になってくる。
後ろ姿のショットが多く、観客は見えない表情を背中から想像する。無口かと思うと、そうでもない。心の奥に言いたいことや思いが沢山詰まっている。
生き続けるための選択…その行き着く先に何が待っているのだろう?などと考えるのは、生きるのが当たり前な人の感覚。“生きること”が目的になれば、先のことなんか考えない。
犬がそうであるように、重要なのは“今を生きること”なのだ。
長回しのエンディング に何を感じるか、自分がどう感じたかを反芻してしまう一本。
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