劇場公開日 2012年3月3日

「多部ちゃんカワイイけど、アホ役にはミスキャスト」ライアーゲーム 再生(リボーン) ビン棒さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5多部ちゃんカワイイけど、アホ役にはミスキャスト

2024年3月28日
PCから投稿

そもそもライアーゲームは、参加しなければ何も起こらない。
脅されようが秋山役の松田翔太が言う通り、無視すれば良いだけだ。

参加するのは、
・金欲しさに自ら参加する人間
・脅しに流されてしまう愚かな人間
この2者だろう。

「愚かな人間」とは、この場合、小心者で依頼心が強く、冷静な判断力の無い者。
その点で前作までの戸田は まさに はまり役。
でも優役の多部ちゃんは、戸田ほど「愚かに」見えない。

で、結果としてゲーム自体にも緊迫感がなくなっている。
なんとかするだろうという雰囲気が出てしまい、緊迫感を削いでいる。

また、ゲームの設定も甘い。
出場者に全額を負担させ、1人が総取りするという方法なので、
主催者は金銭的リスクを負わない。
その点、前作では単なる脅し文句以外に ボーナスというエサもあった。
その巨額な金銭力の故に、主催者への恐れも生まれるというものだ。

主催者からの呪縛は、負債のストレスよりも強くなくては成り立たぬ。
あの癖のある面々がおとなしく取り立てられるはずがない。

『参加者全員 ±セロ』の結末にする為だろうが、ゲーム設定からも
その意図が最初に見えてしまった。
同じセロにするにしても、前作の展開の方が 格段に良かった。

さて、役に はまってない多部ちゃんだが、興業的には良かったと思う。
同じキャストだったら、もう観てなかったろう。
緊迫感の乏しい作品だったが、やっぱり多部ちゃんは、性格良さそうでカワイかった。

ビン棒