「楽しくて泣ける」シュガー・ラッシュ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
楽しくて泣ける
CGアニメがとにかく苦手で、どんな傑作と呼ばれた作品であっても、全然面白いと思えず、疎外感ばかりを抱いていて、この映画も後学のためにチェックしておくというような気持ちで見に行ったところ、大変感動し感涙にむせいでしまった。CGアニメ映画で面白いと思ったのは『ミスターインクレディブル』以来だった。
そもそもCGアニメの絵空事な感じがとても苦手で、こいつら本当はいないだろと実在感のなさばかりを突き付けられる感じがする。ところがこの映画はそもそもゲームの中のプログラムされたキャラクターなので、そもそも不在の存在を描いているのでその違和感を抱きようがなかったのかもしれない。ストⅡやパックマン、クッパ大王など日本のゲームが生み出したキャラクターをとても尊重してくれている感じが嬉しい。
主要な登場人物を取り巻く連中が一体なぜそんなにも底意地が悪いのか、話を盛り上げるためだけにそういった描き方をするのはいかがなものかと思っていたら、シュガーラッシュの人々は悪者に操られていてそうだったのかと伏線となっていた。しかし、ビルを直すゲームの人々は素で性格が悪かっただけなのは逆に驚いた。いいのかな。
ベネロペがバグを使ってレースを有利に展開させるのはズルだと思った。ベネロペもラルフも嫌われ者という疎外された者同士が協力してレースでの勝利を目指して特訓する場面が素晴らしかった。その際に掛かるリアーナの音楽がとてもかっこよくて、itunesで曲を買った。AKB48のテーマ曲も良くてそれも買った。シューティングゲームから現れた女が一人だけ8頭身で、変にかっこよくて逆にこっけいな感じになっているのが面白かった。
楽しくて泣ける素晴らしい映画だった。