ピープル・ライク・アスのレビュー・感想・評価
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ジョニ・ミッチェル、リンダ・ロンシュタット、スティーヴィ・ニックスと並んで歌わされたら
オープニングから音楽映画の匂いがぷんぷん漂ってくるのですが、亡くなった父親ジェリーは音楽プロデューサーという設定のため、そこまで深入りしてない。だけど、もう一つの家族であるフランキー(エリザベス・バンクス)の母親はキング・クリムゾンのコンサートで知り合ったというし、サムの母(ミシェル・ファイファー)はジョニ・ミッチェルたちと並んで歌わされ、そのまま付き合った経緯があるという、70年代音楽ファンを喜ばせる内容だ。ジョシュのキース・ムーンばりのドラムテクニックも伏線となっている。
ただ、そうした音楽の面白さはあるのに、ストーリーは単純。弟であることを名乗りだせない辛さと、法律違反の取引により仕事がうまく行かなくなった苛立ち。その上、恋人のハンナ(オリビア・ワイルド)も帰っちゃうし・・・もう、父の死の悲しむ暇がないほどのプレッシャーがあったサム。弟だと言えないまま実姉フランキーとジョシュに深く関わってしまい、遺産も渡してOKだと感じたサム。しかし、FTCの本格的捜査により、金を渡すべきかどうか悩む・・・
サムが遺産を渡すかどうかといった心理面もスリリングに描いてるし、フランキーのサムに対する心情変化も興味深いところ。フランキーが誰とでも寝る女と聞かされても、実姉だし、自分たち親子だけが幸せだったという罪悪感も上手く描かれていた。ジョシュにいたってはサムを信頼しきってるし、CDを聴く順番も、6つのルールを忠実に守ろうとしているところが可愛い。
4.4
日本では劇場公開は無かったが、アレックスカーツマン・ロベルトオーチーのタッグ作品ということで観る以外に選択肢はなかった
アイランド・M:I:Ⅲ・イーグルアイ・トランスフォーマー・スタートレック・グランドイリュージョン・アメイジングスパイダーマン2など数々のアクションヒット作を生んできた彼らの珍しいヒューマンドラマだ
トータルとしてはかなり良作だった
強引な展開や平凡なストーリーも、アクション慣れしたさすがのカメラワークとカット割りでセンスを引き立たせている
そこが逆に仰々しいと感じてしまう方もいるかもしれないが
素直に事情を伝えることの出来ないサムと問題を抱えていても誰にも頼ることの出来ないフランキーの関係に観客たちは揺れ動く
どうにもならない恋愛感情と家族愛が互いに交錯しているからだ
空港での会話や学校までの渋滞など小ネタはたくさんあるが、一番はやはりキャロルだろうか
フランキーの息子でサムの甥にあたるジョシュに教授する6つのルールはそのまま真似をして教訓にしたいほど素敵なものだった
全体的に気になる細かな点はいくつもあるが、それを包み込んでくれる暖かいラストシーンは必見である
気になっている方、おすすめ
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