「根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ。」BRAVE HEARTS 海猿 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ。
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映画「BRAVE HEARTS 海猿」(羽住英一郎監督)から。
作品冒頭、主人公・仙崎大輔は、
上司から「撤退」を指示されたにもかかわらず無視して、
結果オーライで、人命救助に成功するシーン。
「なぜ、命令に従わないんだ?」という叱りに対し、
「俺は全員を助けたいんです」と、正義感溢れて言い返す。
「なるほど、その歳で特救隊に入ろうなんて奴は、
そういうことを平気で口に出来るわけか。
結局は、お前が仲間に救助されてる。俺に言わせれば、
ああいう状況を作ってしまったこと自体が、既に失敗なんだ。
そして今日も、お前は同じミスをした。
根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ。
いいか、レスキューに必要なのは、スキルと冷静な判断力だ」
こう言い返すチームのリーダーに共感を覚えた。
「希望がある限り、絶対あきらめるな」という教えもあるが、
正義感だけで人命救助をするのは、無茶すぎる。
主人公だから死ぬことはないだろう、と思う客観的な目と、
もしこれで死んだら誰の責任になるんだろうか、という
リアルな感覚がいり混じって、いつも不安になる。
「自分はこの場面、あの人を助けられる」という自信は、
実は何も根拠がなく、周りで見ている同僚は落ち着かない。
その心境を言葉にすると、
「根拠のない自信が、ああいう事態を招いたんだ」
上司の命令や同僚の反対を押し切って行動するのであれば、
「根拠のあるデータ」を示してからでも遅くない。
「命を懸けて命を救う仕事」だからこそ、そう願いたい。
それでは、映画にならないよ、という関係者の声が、
聞こえてきそうだな。(汗)
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