宇宙戦争(1953)のレビュー・感想・評価
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これが1953年の作品とは驚きだ。 ウルトラマンと同じにおいを感じ...
これが1953年の作品とは驚きだ。
ウルトラマンと同じにおいを感じた。
それにしても問答無用で攻撃を仕掛ける火星人のクズっぷりはなかなかのもの。
そして火星人をタコ型生物にしなかったのも斬新(?)。
原爆さえも通用せず、万事休すと思われたが、なんと大気中のバクテリアで全滅してしまうという意外な展開はあっけないが、一番後味がいいかな。
ゴジラに大きな影響を本作は及ぼしていることは間違いないと思います ゴジラファンなら、絶対に観ておくべきです
本当のSFファンなら、原作は小学生の頃に図書室で読んでいるはず
本作も中学生ぐらいで観ていないとなりません
それくらいの古典
一般教養です
まさか観ていないなんてSFファンはいないですよね?
もしそうならもぐりです
なんて偉そうなこと言ってますが、本作を観たのは遥か大昔のこと
何もかも忘れ果てていました
覚えていたのは、三角の戦闘マシーンのビジュアルと原爆攻撃に使われる全翼爆撃機だけという体たらくです
改めて観直して大いに感動しました
凄い作品です
そして新しい視点を得ました
本作はゴジラの元ネタだったのです
ゴジラは、本作の約1年後の1954年11月の公開
火星人の侵攻をゴジラに置き換えて考えると類似点が沢山あることに驚かされました
1953年6月公開、日本は同年9月の公開です
しかもカラー作品
この時点での特撮は米国が上回っています
米軍の出動シーンは、確実にゴジラに継承されたシーンだと思います
伊福部マーチが脳内に鳴り響きました
大変にマッチします
そして米軍の総攻撃
しかし全く効果がない
これもゴジラに継承されるポイントです
恐らく透明な釣り鐘状の電磁バリアのビジュアルを提示したのは本作が史上初では?
1950年代はアメリカのパルプ雑誌のSFの黄金期電磁バリアの概念は当時の米国のSFファンならもうお馴染みの概念であった思います
でもこの概念を映像で見せたのは本作が初めてだと思います
禁断の惑星ではシャッター方式の電磁バリアが登場しますが、1956年の作品です
アナウンサーが実況するのも、ゴジラに引き継がれています
全翼機での爆撃はシン・ゴジラに反映されています
庵野監督はだからB-2ステルス爆撃機を登場させていたのです
本作に登場したのはYB-49という、2機だけ作られた試作機です
そのうち1機は本作公開の5年前に墜落事故を起こしエドワーズ大尉以下5名が犠牲となっています
ロス郊外の空軍基地の名前がエドワーズなのはその時に改名されたそうです
この事故もあり、性能的にも満足でるものでなく、結局本機はお蔵入りになってしまいます
しかしそれが50年の時を超えてリベンジを果たしたのが、そのB-2 爆撃機なのです
劇中に登場する地名を地図で確認すると、全て実在します
現地指揮官の海兵隊の大佐が、高速道路まで撤退して、防衛ラインを再構築せよと命令するシーンがあります
これもロスの40キロほど東に南北に走っている実在の路線のことのようです
この防衛線は、庵野監督によってシン・ゴジラのタバ作戦に継承されているように思います
タバ作戦でテント式の現地指揮所が襲われるのは本作と同じです
遂にロスには避難命令がでます
避難民は家財道具を車に山のように乗せて、群れをなして避難していきます
車の無いものは、軍の誘導に従ってバスにのって疎開していきます
これも本作の約1年後にゴジラで類似のものを観ることになるシーンです
病院から重病患者の避難シーンもあります
やがてロサンゼルスは火の海となり、軍と民間の避難民が入り混じって敗走するシーンはもうまるで沖縄決戦のような大混乱の様相になります
ダウンタウンでは略奪と暴力が横行しています
最上部が日本の国会議事堂のような形をした高層建築はロス市役所です
ランドマークを破壊するゴジラの伝統は、実は本作に出発点があったのです
逃げ遅れて教会で最期の時を迎えようとする人々
これも、ゴジラでは「お父さんのところへ行こう」という名シーンに継承されています
病原菌にやられて火星人の戦闘マシーンが横たわるシーンはシン・ゴジラの終盤に隔世遺伝しているように思えます
とはいえそれでもゴジラが映画のイノベーションであるという絶対さは揺るぐことはありません
しかし、そのゴジラに大きな影響を本作は及ぼしていることは間違いないと思います
ゴジラファンなら、絶対に観ておくべきです
今日は2020年10月4日です
なんと2日後の10月6日が火星大接近の日だったのです!
地球と火星は2~3年おきに接近するのですが、この次に今回より近づくのは2035年までありません
最近どうも火球が落ちてくるニュースが多いと思いませんか?
火星人が攻めてくるかも!
追記
特撮はジョージ・パルの名前しかないですが、ゴードン・ジェニングスが担当しています
彼の名前はもっと大きく扱われるべき巨人です
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