スリーピング ビューティー 禁断の悦びのレビュー・感想・評価
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主人公の孤独に共感する
鑑賞後、寂寥感が強く胸に残りました。
人生のままならなさ、社会の中での孤独感を抱えて、破滅的な行動を繰り返す主人公。
老人は自分の『骨(信念などでしょうか)』は全て折れてしまったと言い自殺しましたが、その死を身を持って実感した主人公は、その後自分の『骨』を支えに人生を立て直すことができるのか。
映画を見終えて、自分自身の漫然と過ごす毎日を振り返り、重ね合わせてしまいました。
そして、副題に騙された気分ですが、あまりセクシーな雰囲気はなかったように思います。
(老いを印象付けるためなのかも知れませんが)老人のストリップ三連続だけは正直少しうーん…、となりました。
淡々と流れる映像ですが気がつくと1時間40分が過ぎていて、引き込まれる映画でした。
老いは罪ではなく、若さは時として残酷である
日本人が監督をした同名の作品と違って難解に感じました。
女性視点の映画だから、そう感じるのかもしれません。
主人公に関わる人物の関係が、正直わかりずらかったのですが。
映画が始まると、怠惰でアンニュイな空気に毒されてしまいました。
ヒロインは若くて綺麗で、だからといって、決して幸福な人生ではない。
彼女の周りにいる友人達、秘密クラブの老人達でさえ。
金の為に彼女が売るものは若さと美しさ。
セックスを売るわけではないのです。
それなのに、バーで知り合った男には簡単に体を許して、自分の膣は聖域ではないと平然と言い切ってしまうヒロインにはやりきれない感情を覚えてしまいます。
自分が日本人だからかもしれません。
眠っている彼女に老人が求めた者は都合のいい人形なのか。
若い頃に手に入れたと思った幻なのか。
彼女が眠りと共に手に入れたのは金だけだったのか。
目が覚めた彼女の最後の叫び。
正直、酷だと思うかもしれません、でも。
現実を目の当たりにした彼女に対して、自分は憐憫の欠片さえ抱くことはできませんでした。
眠り姫はセックスよりも大麻よりも、確かなものを手に入れた。
現実、そして生きること。
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