日本列島 いきものたちの物語のレビュー・感想・評価
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僕らは皆生きている
「皇帝ペンギン」「ディープ・ブルー」「アース」などなど、自然と動物たちを捉えたネイチャー・ドキュメンタリー。
日本でもこういうドキュメンタリー映画作ったらイイのに…と思っていたら、満を持して登場。
2年半密着した映像は魅力的だ。
日本列島津々浦々に生きる生き物たち。
雪の中、山の中、海の中、住む所は違えど生き物たちの姿は生命力に満ちている。
生き物たちそれぞれの家族のドラマも描かれる。
家族愛に癒される一方、自然界の生き物たちに必ず訪れる親離れ。自然の中に放り出される。
時として美しい自然は牙を剥く。
弱肉強食の世界、尽きる小さな命…。
独りで生きていく事は過酷。
でも、それが現実であり真実なのだ。
こうして改めて見ると、日本も雄大だ。所々、ココ日本?とさえ思う風景もあった。四季の移ろいも日本ならでは。
広い日本に抱かれて、我々は皆、生きている。
日本に生きるかけがえのない仲間たち兄弟たちなのだ。
せっかくの日本製ネイチャー・ドキュメンタリー、これ一本で終わって欲しくない。
また新たないきものたちの物語を見てみたい。
余談だが…
大泉洋とゴリのナレーションはどうもバラエティーのナレーションのように感じてしまった…。
自分の住む日本とは思えなかった。感動した。
日本にこんなに野生動物がいたことを初めて知った。淡々とナレーションするだけではなくて時折会話のような表現があり、退屈しなかった。いのちの大切さを再認識した。涙がとまらなかった。日本に生まれ育った事を誇りに思う。
子供や若い方にもっと見てほしいと思う。
映像美はすばらしい、内容もう少し絞ったほうが…
自然の映像美を大スクリーンで見たい人は一見の価値あり。
また、テレビでは流さないような残酷な映像やオチもあるので、ある程度覚悟は必要。
個人的に惜しかった点では、もう少し子供向けか大人中心か対象を明確にし、内容を整理し脚色したほうが良かった気がする。キャラクターグッズを見る限りでは子供向けなのだろうか。ならば、その方向で内容の絞り込みができたのではないか。そうなれば、ナレーションの演出をある程度、コミカルな感じに統一できただろう。私個人としては、黒木さんや相葉さんのようにフラットで抑え気味なほうが好みだが。
複数の有名カメラマンが複数の場所で撮っているうえ、野生動物相手なので、絞り込むのが難しかったのだろうが、コマ切れすぎて、前半、もうこのエピソードは終わりかと混乱してしまった。もう少し構成に工夫がほしかった。案外おもしろかったのが、最後のエンドロールでメイキング映像が流れたこと。撮り手を映像から排除するのではなく、撮り手の視点から構成し、ナレーションをつけたら、ある程度一貫性が出たのでは。あくまで素人の意見だが。まあ、でも初のドキュメンタリー。次回作を期待。
NHKドキュメンタリーのプライドをかけた、世界に通用する映像でした。
動物ドキュメンタリー映画といえば、BBCが手掛ける『アース』『ライフ』が好評を博しています。そこで素朴な疑問、同じ国営放送で良質なドキュメンタリーを量産しているわがNHKには、同様な映画企画は無理なのだろうか?そう思っていたら、なんと東宝と組んで恐らくわが国のドキュメンタリー撮影技術の粋を尽くして、本作が登場しました。プロデュース体制にはTBSも絡んでいるのが興味深いところです。
製作はNHKの製作部門が請け負っているからには、メンツをかけた映像が映し出されていて見応え充分でした。30名もの第一線のカメラマンが、分業したとしても一匹の子猿の消息や小熊の兄弟の成長と別れなど、2年半もおなじ個体別の野生生物を追い続けることは、途方も無い忍耐が必要だったでしょう。
それをドラマタッチな演出レベルまで撮り込むには、技術もさることながら、スタッフの執念すら感じさせてくれます。
極寒の北海道や青森の豪雪の中の撮影や屋久島では、凄まじい暴風の中での撮影。はたまたクジラが舞う太平洋の深海では、海底の生き物たちのユーモラスな生態を追うなど、厳しい自然条件をものとせず、被写体を追い続けたカメラマンたちの情熱に脱帽しました。
宣伝では、あまり撮影技術は強調されていませんでしたが、ハイスピードカメラなど『ライフ』で登用された最新技術が何気にさらりと使われていて、登場する生き物たちが見せる一瞬の表情すら、余すところなく伝えてくれました。
またエンドロールには、熊や猿など野生の動物たちのすぐそばまで肉薄して、動物たちがレンズを舐める距離までドアップでアプローチしている姿が紹介されていました。その度胸には、敬服します。
さて、全編を通じて語られるのは、生き物たちが織りなす家族愛が大きなテーマとして語られます。けれども自然界の掟は過酷。それぞれ登場する動物には、独り立ちまでの期間がコメントされます。長くても1年、その多くは数ヵ月で、親と別れて独り立ちを迫られてしまうのです。
そんな短い間でも、わが子を必死に育てて、守ろうとする生き物たちの姿には感動しました。それぞれの誕生から、成長、そして独り立ちするまでがドラマチックに描かれていました。
物語は、極寒の北海道知床半島から始まります。そこで誕生したごまアザラシの赤ちゃんが誕生するところやキタキツネの子育てぶりが紹介されます。
そのなかでも、印象に残ったのはラストシーンまで登場するヒグマのポン兄弟の物語。小地蔵は、熊が出てくると、条件反射的に、「なんだベア~♪」と、こころのなかで叫んでおります。富士山も冷やしてしまいそうな「親自虐」ですねぇ(^^ゞ
それはさておき、このヒグマの兄弟の性格は対照的。兄は何でも器用に母熊の所作を真似して、いち早川上りの鮭狩りもマスターしてしまいます。弟は猪突猛進型で失敗してばかり。1年を通じていつも寄り添い、じゃれ合う仲の良い兄弟ぶりが描かれますが、最後には、互いに一人前の熊に成長して、互いの縄張りを意識しあうようになり別れの時がやってきます。お互いがぶつかり合いながらも、何かに諭されるように離れていく姿には、哀愁を感じました。
キタキツネの親子の子離れは、もっと過酷。突然親狐が、オスの子狐を襲い、巣から出て行けと噛みつくのです。それを見ていたメスの子狐たちも観念して、巣から離れていきます。
下北の赤ちゃん猿だっためがねは、お母さん猿が突然いなくなります。豪雪の寒い寒い下北の冬を過ごすには、誰かに寄り添って暖めてもらうしかありません。めがねは必死になって群れの他の猿に寄り添おうとします。しかし猿の社会は、同じ群れにあっても家族以外の猿には冷酷で、誰もめがねに身を貸そうとしません。エサも事欠く冬期に、エサを求めて彷徨っているうちに、めがねはとうとう群れを見失ってしまいます。
北の猿の暮らし向きは大変でしたが、その点南の屋久島で暮らす猿は、割とのんびりした暮らし向きです。この島では、猿の落とす果実をエサとしてあてにしている鹿と猿との共存関係がユニークでした。
ただメスの数が北の猿に比べて少ない屋久島の猿たちは、オス同志の闘争が過酷です。中には、ホホの肉がボロリと落ちるほどの大けがを負う猿もいたほどです。
また屋久島は、台風のメッカと言っていいほど、毎年暴風雨に晒される島です。洪水の犠牲になる猿もいて、死んだ子猿をいつまでも毛繕いしている母猿の姿が痛々しかったです。
ユーモラスなのが、神戸六甲山地で暮らすウリ坊の次郎一家の物語、関西だけにゴリが関西弁で次郎の気持ちを代弁してくれました。イノシシの気持ちになれば、エサをとるのも一大事。人里に出たくなるのも無理ならぬことですね。ゴリのナレーションのノリも良かったです。
また、南西諸島の海底では、クマノミ夫妻が子育ての苦労をグチっぽく語ってくれました。夫妻といっても、卵を産むメスの方も元々はオスだったというから、大西賢示が子供を出産するような感じなんですね。
これまでのお堅いNHKのドキュメンタリーと比べて、相葉雅紀など人気者のナレーターを器用。場面ごとにナレーターを変えて、親しみやすさを醸し出していました。またナレーションも時に動物目線で語り、観客がクスッと笑ったり、画面に引き込まれるようなナレーションで、最後まで楽しむことができました。
そんなナレーションで気になったことは、日本列島には9万種の多様な生き物が棲息していること。その多様性には、まだまだ見つかっていない生き物もいること。本作では、そんな多様性の片鱗を充分伝えてくれました。けれども、ナレーションはそのうちの5%にあたる約4千種が絶滅の危機にあることを伝えます。
動物たちの生き残っていくのが、いかに困難なことかまざまざと見せ付けられる本作。それを見せられて思いを強くさせられるのは、彼らの生存の自由を可能な限りの守ってあげたいという願いです。開発で森が狭くなり、エサがなくなり、彼らも止むを得ず人里に表れるようになってきました。先ずは人命が優先されますが、日本列島の生物多様性が何とか担保できないものだろうかと感じさせる作品でした。
ほのぼの
正直、映画じゃなくてもTVでもいいんじゃないかと思いました。
作品自体はいいものですが家族で感想を出しながら見るとより一層、楽しめたのではないかと思います。
画面が小さく迫力がなかったせいもありますが…
くじらやシャチとかのシーンはもっと大きな画面で見たかった。
ナレーションはゴリの「うり坊」がかわいくて、癒されます。
しかし、寝不足なのにいくと自然の癒しのせいか眠くなります。リラックス効果あり。
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