劇場公開日 2011年7月9日

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「時系列」陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0時系列

2019年2月4日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 “ミルク”と呼ばれていたジョナサンには黒人の親友ヴィニーがいた。ジャンキーを撃ってしまったのは正当防衛であるはずだが、とにかく事件扱いにもされなかった。スタンフォード刑事(アル・パチーノ)の元相棒がジョナサン・ホワイトの父親であったらしいことも関係があるのか・・・と匂わせる展開。公営住宅にはもう一人やっかいな奴がいた。ジョナサンの飼っていたチャーリーという犬が吠えたために争いになって不運にも階段から落ちて死亡。それも事件にならなかったようだ。密告手紙の届いた新聞社のローレン・ブリッジス(ジュリエット・ビノシュ)は公表すると躍起になっていたが、社の事務所が何者かによって荒らされる。さらに、ジョナサンの妻ケリー(ホームズ)のもとへも脅迫めいた電話がかかってくるのだ。脅迫者はヴィニーじゃないか?と疑ったジョナサンは久しぶりに訪ねるが・・・

 子どもの頃と2002年のストーリーが交互に描かれ、ジョナサン(テイタム)が苦悩していく姿を描いている。118分署という貧困層住宅地域の警官たちはなぜか白い目で見られる存在。ちょうどNYテロの1年後という設定も面白いのだが、テロで亡くなった警官を称えることもなく、腐敗した警察の隠蔽体質を批判的に描いているところに面白さがある。スタンフォードと後釜のマサーズ警部(レイ・リオッタ)との関係も明らかになるが、「昇進にしか興味がない」と言い切るマサーズが凄い。やはりレイ・リオッタ。事件もみ消しのためにジョナサンに対して優しく接するところが怖い。

 終盤には、ブリッジスも殺され、ヴィニー(モーガン)にすべての罪を被せようとするスタンフォードとマサーズ。最初は疑ったが何度も「誰にも言ってない」と訴える、かつての親友を助けなければと集合住宅の屋上へ向かうジョナサン。またもや罪を被せようとしたところ、ヴィニーはマサーズを撃ち殺し、その彼ををスタンフォードが撃ち殺す。なんとも虚しい展開。グサリとくる内容ではあるが、ストーリーやシーンの組み立てが時系列無視のようなスタイリッシュな構造を狙っているため、逆に感情移入できないまま終わってしまうおそれあり・・・

kossy