劇場公開日 2007年1月13日

「聞いたか聞いたか、聞いたぞ聞いたぞ」シネマ歌舞伎 京鹿子娘二人道成寺 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 聞いたか聞いたか、聞いたぞ聞いたぞ

2025年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画『国宝』をみて、こちらにも興味を。坂東玉三郎と尾上菊之助(現八代目菊五郎)のコンビ。『国宝』の中で、「女形というのは、男が女を真似るのではなく、男がいったん女をに化けて、その女を脱ぎ去ったあとに残る形である」とあったが、画面の中の二人はなるほどそれかと思わされた。女でありながら女ではなく、かといって男でもなく、どこか妖艶で儚くいじらしい。化粧を落とせばむさくるしささえある男であるのに、舞台の上では匂い立つ華やかさと美しさと淑やかさ。そして、『国宝』の時の吉沢亮と横浜流星と同じ衣装を目の前にすると、脳内はその二人に画像変換されていく。まあ、美しいものを見ている至福を感じた。上映期間延長、上映館拡大という。そりゃ当然だわ。

栗太郎