「自転車」監督失格 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
自転車
クリックして本文を読む
個人的にプライベートな人間関係のドキュメンタリーフィルムは、こっぱずかしくなる質なので、最初の北海道自転車旅行までは「うーん、イマイチ」。
しかし、由美香さんの「死」が、偶然にもフィルムに収められていた緊迫感溢れるシーンから、一気に画面に吸い込まれてしまいました。第一発見者の母と元恋人。母の慟哭とは対照的な元恋人。
彼はその後「死」を受け入れるまでに5年を要することになります。
そして、5年後。封印してきた感情を自転車に乗って開放し、由美香さんの「死」を受け入れるというラストシーン。
自転車で疾走しないと、叫ばないと、泣かないと、恨みごとを言わないと、突破できない苦しみ。
この作品は、単純な恋愛物語ではなく、ひとりの男のありのままの記録と通過儀礼の物語です。
コメントする