「親より先に死ぬもんじゃない。・゚・(ノД`)・゚・。」監督失格 初台験さんの映画レビュー(感想・評価)
親より先に死ぬもんじゃない。・゚・(ノД`)・゚・。
平野監督は妻子持ちでありながら、AV女優の林由美香と不倫をしていて、さらにそれをフィルムに収めて、死後7年経ってこういう形で劇場公開するというこの映画の前提に関しては・・・
そりゃ~批判されてもしゃーない部分はあります(;・∀・)
事実不倫の内容をドキュメンタリーのロードムービー『自転車不倫野宿ツアー 由美香』として製作したことに関する道義的な問題は発生するのは間違いない。
でも・・・
この映画を観て思ったのは、そんな現実の道徳が倫理がどうたらこうたらなんてこの映画の中じゃ関係ない!!!!ってこと(゚∀゚)
林由美香という女優は、飛び抜けて美人なわけじゃないし、スタイルがいいわけでもなく、セックスシンボルとしては正直役不足(;´∀`)
ただミューズともいうべき「あげまん」体質で、付き合った男はみんなその後大物になっていき、さらに葬式に参列した元彼同士がみんな仲がいいという・・・
ぶっちゃけここに参列してる映画監督、脚本家、作家、アーティストにも林由美香と不倫関係にあった人も相当いるとか(^_^;)
決して絶世の美人という訳ではないけど、彼女を収めた映像にはなぜか芸術性が付きまとう。
天性のミューズと言うべきでしょうか(・∀・)
とにかく林由美香の魅力がふんだんに収録されてる。
自宅で死体で発見された時の下りの緊迫感と臨場感は凄まじい!!∑(゚ω゚ノ)ノ
斜めに倒れたカメラから伝わってくる異常事態の雰囲気と、由美香ママの嗚咽はほんとこれがドキュメンタリーだと再認識させられる。
そしてこれを観て率直に思ったのは
「親より先に死ぬもんじゃない(´Д`)ハァ…」
結局死因は睡眠薬の飲み過ぎによる中毒死だということだけど、第一発見者の平野監督も容疑者として疑われた(;´Д`)
死体を目の前にして涙を一滴も流さず、さらに葬式でも一切泣かなかったため。
その後平野監督は映画を1本も撮れなくなって、ロードムービーを撮った後に別れたはずなのになぜか由美香の影がずっと付きまとっている。
件のロードムービーを観て多大な影響を受けたという庵野秀明監督に協力してもらって、由美香の呪縛を断ち切って再起するために作ったのがこの映画。
しかしなかなか自分をさらけ出せず、庵野監督に尻を叩かれてラストシーンに追加したのが、ぎっくり腰を押して自転車で夜中走り出して「早くどこかに行っちまえ!!!」と泣き叫ぶシーン。
ここで終わり。
これで平野監督は復活することができた(゚д゚)
極めて個人的な映画のように思われるけど、この映画の林由美香の人生を通して我々庶民が学ぶべきものはたくさんあると思う。
世俗的、一般的な常識に捉われない生き方があり、そしてその生き方をしても世間から注目を浴びて絶賛されることもある。
不倫や浮気も道義的には良くないけど、石田純一ではないけどそこから生まれるものもたくさんある。
アウトロー文学や芸術、グラフィティアートなんてまさにそう(・∀・)
そして何より一番俺が強く感じ取ったのが、繰り返しになるけど
「親より先に死んじゃ絶対に駄目だ!!!!」
というメッセージ(^_^)
平野監督はそんなつもりはないかも知れないけど、この思いが死体発見のシーンで一番く感じ取られた。
そして林由美香という稀代の名女優にしてあげまん。
素晴らしい( ゚∀゚ノノ゙パチパチパチ
大傑作です(∩´∀`)∩ヤッホー♪