「近年最恐のホラー映画!」インシディアス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
近年最恐のホラー映画!
「ソウ」の監督&脚本家と「パラノーマル・アクティビティ」のプロデューサーによるホラー映画。
2大名物ホラーのスタッフがタッグを組んだのだから、怖くない訳がない。
その通り、久々に怖いホラー映画だった!
古い一軒家に越してきた一家を怪奇現象が襲う…。話は至ってオーソドックス。
それがイイ。無駄な描写は一切省き、シンプルかつ静かに話は進み、薄暗い屋根裏部屋とか一人で勝手に開くドアとか不快な声や物音とか横切る影とか、想像力を膨らませ、じわじわと恐怖を煽る。抑えて抑えて抑えて…唐突に!!キャ〜ッ!!でも、巧い!
ホラー映画って単に驚かすだけじゃ芸が無い。いかに想像力を掻き立てさせられるかが重要。人間って怖い時、あれやこれやと想像してしまうもの。その演出が本作は巧い。
また、最近のホラー映画はやれ流血シーンだのやれ残虐シーンだの見せ物的なものが流行りだが、本作にはそうそうシーンが一切無いのがこれまたイイ。本当に怖いのは血とか殺人鬼なんかではなく、怖いと思わせる心理である。
さすがに悩まされた一家は引っ越す。しかし、引っ越しても怪奇現象が襲う。取り憑いていたのは家ではなく…。
戦慄の展開はオカルト様式に広がるが、お粗末な印象になっていない。家族愛のドラマがしっかり描かれているからである。
演出、描写、ストーリー、モチーフになりそうなキャラやオチも含め、久々に出色のホラー映画。
これが本来在るべき形のホラー映画だ。
コメントする