Peace ピースのレビュー・感想・評価
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【”無欲の献身。”80代の柏木夫婦が儲けなき、福祉有料運送業に従事する姿や、ホエピスケアの手助けをする姿が崇高なる作品。日本の福祉行政に寸鉄釘を刺すわけでなく淡々と自らの仕事をこなす姿が沁みる作品。】
■柏木さんは、自宅で多数猫に餌を与えている。野良猫も居るが、彼はその猫を追い払う事もなく、ブツブツ文句を言いながらも餌を与えている。
ー 年初から、能登半島で大変な震災が起こってしまった。私事で恐縮であるが、震災により被害を受けたお世話になっている会社の救助のためである。
だが、行政からはそれを待つように指示を出された。
日々、新聞紙上に乗る明らかになって行く被害。
新聞で知ったのであるが、”共感疲労”と言うらしい。
個人的に出来る事はした積りであるが、被害者救済を語って詐欺をする人たちもいる事を知り、立腹どころではないが遣る瀬無い気持ちでいる時にこの、ドキュンタリー映画の存在を知った。-
◆感想
・柏木夫婦は、自分達も80代であるのに重度の身体障害者の方々の送り迎えをしている。彼に対する口調は丁寧であり、代金を受け取る時も”すいませんね。最近、ガソリン代が高くって”と言いながら、料金を貰う姿。
ー だが、その後に映される同じ身体障害者の方々の送り迎えを仕事にしようとする方々に申し訳なさそうに言う姿。
”半年で、売り上げは38万です。売り上げ10万。ガソリン代を入れると実入りはです。-
■何が、柏木夫婦がこの尊崇成る仕事を行っているのか。
それは、柏木さんが口にする“お金では代わりにならないものがある。”という言葉。
更に、奥さんが末期のホスピス患者である橋本さんから聞いた事。
”戦争中は、何処に行かされるか分からなかった。けれども、一生懸命に生きたよ!”
<今でもそうだが、国の高齢者に対する予算は、軍事費の増額と比較すると減少の一途である。
福祉に携わっている方は、コロナ禍の時もそうだが、心血を注いで頑張っていらっしゃる。
だが、ここにきて明らかになった与党の各派閥のキックバック問題。議員によっては開き直ったかのような言動を行う姿。
彼らは、甘い汁を長年吸ってきた事で、平和と共存の意味を忘れてしまったのだろう。
今作が制作されて10年以上が経つが、邦画ドキュメンタリー作品の逸品であると思います。>
なんか、もっと長く見ていたいと─
正直、出だしの絵とか雰囲気からして、ちょっと見るのやめようかな、と思ったりしたけれど、徐々に人間性とか周りの状況が見えてくると、ぐいぐい引き込まれてしまいました。
かなりの密着度で、結構中の方まで入り込んでいるけれど、あくまで引いた目線というのもを常に感じさせながら、淡々と映像が連なっているだけなのに、妙に生き物チックな雰囲気を醸し出した作品で、非常に興味深かったです。
内容は決してハッピーなものでもないし、どちらかというとマイナス的な描写が多かった印象だったけれど、全く拒絶することなく、むしろもっと長く見ていたいと思ったほどです。
もしかしたら、これまで見てきた想田観察ドキュメンタリーの中で最も良かったかも。と思うのも短かったからかなー
人との距離は思いと反比例
岡山に住む主人公は退職後、福祉車両の運転と野良猫へのエサやり、妻は高齢者や障碍者へのヘルパー派遣をしている。
91歳の一人暮らしの老人は突然、戦争体験について話し始める。
人と人との関わりが復活する日が早く来ますように。
猫
猫がかわいい。
のららしく、薄汚れているのがいい。
橋本さんに魅かれる。
映画の中でも人気者だったから、そうゆう魅力のある方なんだろう。
あんなに優しいおじいさんの、突然の戦争体験の告白に、胸が痛む。
やるべきことをこなす、柏木夫婦もいい。
頭が下がる。
猫はいい。
ちゃんと共存の道を選ぶ。
ピースないきもの。
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