「あぶない弁護士。」リンカーン弁護士 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
あぶない弁護士。
最近の映画館、ポスターやチラシには、あっちでもこっちでも
リンカーン、リンカーン、と書かれてある。
それでこの大宣伝されていなかった作品も、私的に勘違いし^^;
リンカーンとは歴代大統領のことかと思っていたら、あらまぁ
これは高級車のことだったのね(よくチラシを見なさい、ですが)
原作はまったくの未読。
日本での公開前からすでにアチラでは続編が決定したという、
エ!そんなに面白いの!?という感覚で観に行った。
結果。すごく面白かった!久々に面白い法廷劇を観た気がする。
とはいえ、正攻法的な弁護士ではないので^^;捻りが効いている。
何しろその、リンカーンの後部座席を事務所にしている、っつー
あたりからして、コイツただものじゃないな。の匂いがプンプン。
胡散臭い事件を担当しサラリと司法取引に持ち込み、高額報酬を
手にしてきたやり手弁護士が今回挑むのは、資産家の御曹司が
引き起こした女性殴打事件。
依頼人のR・フィリップが、胡散臭さプンプンの出で立ちと演技で
冒頭から怪しさを怪演、これは一筋縄でいかない事件になりそうだ
と、私たち観客も気付き始めるのだが…。
法廷劇といえば大ドンデン返しの面白さが傑作の「情婦」がベスト。
「評決」や、今回のマコノヒーでいえば「評決のとき」もあったけど、
このヒトもともと弁護士志望だったそうで…^^;どうりで巧いわけね。
クライマックスの法廷劇(内外)はかなり観応えがあって面白い。
この主人公・ミックが拘るのは、無罪ではない。無実かどうかである。
父親の遺言が、真実が無実な者を苦しめてはいけない。なのだ。
今回の依頼が4年前の事件とリンクしミックを窮地に追い込んでいく。
と同時に、弁護士としてどうあるべきかを本人に改めて問うのだ。
ミステリーでありながら、けっこう軽快に物語は流れる。
グダグダした主人公の悪癖もしっかりと描かれ^^;、この男はまったく
結婚に向いていないことまでしっかりと分かる(M・トメイよく耐えてる)
弁護士をひとりの人間(ダメダメな部分まで)として描くことで、
内外の差というか、裏表やトラウマが露呈されるので、この男が今後
かなり苦しめられることは容易に想像でき、しかしそれをどう打開する
かが面白さのポイントになるぞ、とかなりワクワクしてくる。
どう見ても綺麗でスマートなタイプの弁護士じゃないから余計にねぇ。
だって仲介するのがJ・レグイザモ。って、すでに危なすぎるじゃん^^;
ネタバレしたらきっと面白くないので、予備知識なしで観る方が正解。
どうしようもないチンピラどもを彼がどう使うのか、乞うご期待。
(久々にずっと前のめりで鑑賞。早く続編が観たい!シリーズ化してぇ)