劇場公開日 2012年7月14日

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「ちょいワル弁護士のスカッとする法廷サスペンス」リンカーン弁護士 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ちょいワル弁護士のスカッとする法廷サスペンス

2012年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

知的

いわゆる法廷サスペンスものだが、カネが取れるところからはいくらでも取ろうという、ちょいワルで一流の腕利き弁護士ミックが主人公だ。
序盤は、軽快にミックの辣腕ぶりを披露する。
そして、そのミックを手玉に取ろうという若者ルイスが現れる。彼は暴行事件で告訴されるが、一貫して無実を訴える。

ルイスが無実かどうかなど疑問にもならない。疑問の焦点は、なぜ弁護士にミックを指名したか、その一点だ。
若者は資産家の御曹司で、高級車を乗り回し、自由な生活を送り、社会的地位が高く、法によって手厚く保護されている。
憎たらしいほど頭が働き、ずる賢い彼は、弁護士と依頼者間に於ける“秘匿特権”を逆手に取る。弁護士と依頼者の力関係が逆転してしまうところに、この作品の面白さがある。

本件の裁判で、ルイスの悪の正体を暴くことが許されないミック。法律のプロであり百戦錬磨の弁護士が、この難局にどう立ち向かうのか?
先が知りたくてウズウズするのだが、裁判ではあの手この手で検事をやりこめ、不本意ながらもルイスの無罪を勝ち取ろうとするから、話は混沌とする。
いったいどう決着をつけるのか、リアルタイムで進む法廷シーンを見つつ、形勢再逆転の切り札を探索し続ける頭は完全にオーバーヒートだ。
やっとミックの作戦が明らかになったとき、それはもう、してやったりとスカッとする。

ミックとリーンカーンの運転手アールとのやり取りが軽妙で、一服の清涼剤となっている。

マスター@だんだん