「 女優さんの足音もこんなおっさんが作ってたの?と驚かされるエピソー...」アトムの足音が聞こえる kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
女優さんの足音もこんなおっさんが作ってたの?と驚かされるエピソー...
女優さんの足音もこんなおっさんが作ってたの?と驚かされるエピソードから始まる。効果音に騙され続けてきた一般庶民。
1950年代から活躍していた足跡。教育映画で血液の流れる音とか、何気なく聞き逃しそうだけど、全くウソの音なのだ。シンセサイザーという楽器がまだない頃から、電子音楽を操っていた大野松雄。中盤までは彼は登場せず、むしろ彼の影響で効果音技術の世界に入って行った人たちの仕事ぶり。
大野氏はすぐに仕事を辞めたりする、天才であるがゆえに一つの職場にこだわらない性格だったようだ。アトムで稼いだのに借金取りに追われ、行方知れずといった内容の作りになっていて、登場するのは後半。彼は70年代に障害児のドキュメンタリー映画制作に携わっていて、現在でも滋賀県にある施設で精神薄弱児の演劇の監督なんかをやっていた。
とにかくゼロから創り出す仕事。この世に存在しない音を一度作ってしまって、世に認知されたら存在するものになってしまう。逃げ出すということも、そうした仕事内容とよく似ている。
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