劇場公開日 2011年6月4日

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レイキャヴィク・ホエール・ウォッチング・マサカーのレビュー・感想・評価

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3.0反反捕鯨映画

2016年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

単純

ホラー映画の皮をかぶった反反捕鯨映画だった。捕鯨が正義だと言いたい訳ではないだろう。捕鯨漁師一家が犯人役だ。でも、鯨を見に来た観光客の性格の悪さや偽善者ぶりや、反捕鯨論者の非理論的な会話など、反捕鯨主義者への皮肉がたっぷりだ。
最後に日本人の裕生奈江が助かるのは、IWCで長年反捕鯨主義者と闘い続ける日本への敬意なのかもしれない。でも、その日本人も決して善人としては描かれていないし、黒人や障害者も容赦なく殺されているところは、やはりどちらが正義なのかではなく、偽善者が許せないのだろう。

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佐ぶ

3.0意欲は、買わせていただきます

2011年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

本作が劇場映画デビュー作となるジュリアス・ケンプ監督が、アイスランド資本で初めて製作されたということで注目を浴びたホラー映画。

何やら、是か非かの立場で世界各国が右往左往している捕鯨問題。一つの文化的差異から語られる課題でありながら、多くの駆け引きが渦巻いている。ならば、この複雑な論題をテーマに一本の映画を作ってしまえという創造への欲望が生み出したのが本作である。

ホエールウォッチングスポットとして、世界中から観光客が集まってくるアイスランドのレイキャヴィック。何やら危険な薫りがする観光船に乗り込んだのは、世界各国から集まった観光客。鯨を観賞する前から思わぬトンデモ事故に巻き込まれた乗客たちの前に現れたのは、捕鯨を禁止され、未来への希望を喪失してしまった一組の家族が操る古ぼけた船だった・・・。

一隻の船を舞台に、捕鯨に反対する国々と、相反する国との国際的な対立関係と衝突を壮絶なスプラッターという形で描き出す本作。屈折と暴走を血みどろ劇場に置き換えることで、世界に対する捕鯨問題への比喩を提示しようとする誠実な、真っ直ぐなジャーナリズム魂には頭が下がる思いである。

一本の娯楽作としてきちんと薄気味悪いホラーとしての体裁は整っているので、初めてアイスランドという国家が挑んだスプラッターホラーとしてまずまずの評価点には達しているだろう。

しかしながら、殺しの美学と開放感があってこそのスプラッター作品であることを考えれば、明らかに本作はその王道を逸脱している。単純に政治批判と明確な国家としての主張を声高に叫ぶことに終始しており、物語としての皮肉であったり、アイスランドという北欧の風光明媚な味わいを少しでも表現に注ぎ込んで観客を楽しませようとする創意工夫が見られない。

このままでは、「ニホン、ハラタツジョユウイマース!イラットシマース!」で終わってしまう。世界が注目する捕鯨問題を語る一つの可能性を見せ付ける挑戦になりえた作品だけに、大いに残念な気持ちが残る作品だ。

意欲は、買わせていただく。あとは、ロメロ先生のコテコテスプラッター作品をしっかりと学び、「魅せる」娯楽ホラーを形にする事を考えることを強く求めるのみである。

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ダックス奮闘{ふんとう}