「きっつくて、すばらしい絶望でした。」アンチクライスト rockoさんの映画レビュー(感想・評価)
きっつくて、すばらしい絶望でした。
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西洋の文化の中に生きてもう10年近くいますが、キリスト教を肌で感じれば感じるほど、この映画を思い出させられます。
自然は悪、理性は善、そういいきってしまうキリスト教と、自然と気っても切れない関係にある女性たち。現在のきれいごとで言えば女性の中も自然も美しいものとして受け止めたい、、、しかしところがどっこい世の中そんなに甘いものではないわけです。とにかく女が己のなかの本能に翻弄されて狂いまくり、男も死に掛けて初めて、自分の対峙していたものの強大さと恐ろしさに気づきます。
自然は美しい、自然と共存を、などと甘いことを抜かすこと自体、その力を見くびった人間のおごりであったわけです。自然をコントロールしようなどとはもってのほかです。
人間であることへのただ深い、深い絶望をあじあわせてくれる映画でした。
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