劇場公開日 2011年2月5日

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「老いることは失うことではない、と納得させてくれた映画。」再会の食卓 くるまどろぼうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0老いることは失うことではない、と納得させてくれた映画。

2011年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

笑える

当然のことながら、
幸せがあっても不幸なことが起きても、人生は続いてゆく。
年を重ね、家族が増えて、皺も増え、老いてゆく。
若い頃、戦争によって婚約者と離ればなれになった主人公の
「その後」の現実を淡々と描いた映画。

40年前に夢見た理想と、40年間で築き上げた現実の家庭。
どちらかを捨て、どちらかを選べる自由を得た主人公と、その家族は
混乱し、感情を露わにしながら(観客も思わず吹き出すほど)、
それぞれの在り方を確かめていく。

老いることは何かを失うことじゃないんだなぁ、と
ここまで納得させてくれた映画は初めてです。
こんな風に年をとっていきたいと思わされました。

主人公であるおばあちゃん役の女優さんが
愛らしくも凛として素敵だったせいもあるのかも。
現代的な孫娘も魅力的でした。

原題の英訳は『Apart Together』。
「離ればなれで、共に。」とでも訳したらいいのでしょうか、
ニュアンスでしかわかりませんが…。

家や礼節を非常に重んじる国民性や、
食文化の違いなども興味深かったです。

くるまどろぼう