劇場公開日 2011年1月29日

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「キャラクターもストーリーも型通りでいま一つ」RED レッド 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0キャラクターもストーリーも型通りでいま一つ

2023年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

こういうスパイモノもののパロディはキャラクター設定で九割方勝負が決まる。
本作の場合、こんな具合だ。

〇ブルース・ウイリス、モーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチの3人が引退して年金生活を送る元CIAスパイ。

〇ウイリスは年金係の若い女性に入れ込んでおり、フリーマンは老人介護施設で女性職員を揶揄って喜び、マルコビッチは未だ私生活で全面警戒態勢を敷いている。

〇ヘレン・ミレンも半ば引退した元MI6のスパイで、ペンション経営を楽しんでいる。

恐らく凄腕スパイ時代とあまりにかけ離れたアンバランスさを強調するために、このような設定にしたのだろうが、小生にはちょっと芸がなさすぎる平板な設定に思える。
ライバルとなるCIAの若手エージェントも何やら型通りだし、女性上司はろくに存在感がない。

ということで、キャラクター時点で本作はあまり期待できないのだが、その見込み通りストーリーも昔のスパイ時代の敵と味方双方のネットワークを生かすとか、常套手段過ぎてあまり盛り上がらない。

やや面白いのは、ロシア大使館のコックスがナイフを取り出し、どうするのかと思ったらウオッカのボトルを開栓するところ、機密の資料室に行ったCIAエージェントの「こんな場所があるとは知らなかった」という呟きに対し、資料係のボーグナインが「ないんだよ」と念押ししたり、ミレンが大口径の機銃を掃射するところとか、一発芸的なところだろうか。
マルコビッチのぬいぐるみはやりすぎだろう。
また、アクションはよく出来ていて、なかなか見ごたえがある。

徒然草枕