「2度憑くものは3度憑く」パラノーマル・アクティビティ2 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
2度憑くものは3度憑く
せ、背中が……
ずっと体を強張らせてたせいで背中が痛い……。
ついこの間『第2章 TOKYO NIGHT』を
観たばかりなのに、またまた続編公開である。
こういう心臓に悪い映画は
あまり沢山作らないでもらいたい
(↑観なけりゃいい話)。
お節介ながら説明すると、
『第2章』は日本で制作された続編で、
今回の『2』はアメリカで制作された続編。
ほぼ同時期公開なのに、どちらも本家が認める
正統続編という珍しいパターン。
『第2章』は1作目よりブラッシュアップされた演出と
日本らしい粘着質な恐怖で攻めたが、今回の『2』はどうか?
『2』が『1』の後日譚か前日譚かは観てのお楽しみとして伏せるが、
主人公は『1』のヒロイン・ケイティの妹クリスティとその一家だ。
クリスティに長男が生まれ、
家に連れて帰ってきたのをきっかけに怪異が発生。
『1』は主人公が何故かいつもカメラ持ちっぱなしだったが、
今回は基本的に、空き巣の存在を疑った一家が設置した監視カメラの
記録映像で物語が進行。
「なんでいつもカメラ回してんの?」
という最大のツッコミ所はわりかし解消された。
豪邸に住んでいる裕福な家庭という設定だから、
監視カメラをわんさか付けてても違和感は無い
(警報装置は何故か無いけど)。
そして悪魔の方も、続編という事で気合が入ったのか、
前作よりアクティブなアクティビティを披露してくれる。
最初から昼夜を問わず怪異が起きるし、
TVや犬に悪さをしたり赤ちゃん泥棒しようとしたり、
バリエーションも様々。
個人的にはキッチンのアレが全部アレになる所が一番ビビった……。
あれには他の観客の方々も飛び上がってましたね。
けど本当に一番怖いのは、何か起きそうなのに起こらない沈黙の時間と、
そこで流れる“ゴゴゴ……”という重低音。
肝心の怪奇現象は、相変わらずビックリ箱的な、後を引かない恐怖だ。
怪奇現象を出し惜しみしない分、
かえって前作より怖さは薄れて感じるかも。
“憑かれた後”は前作よりずっと怖かったけど。
まあ登場人物がグッと増えた事で物語の進行に無理は無くなったし、
「そもそもなぜ悪魔に狙われるのか?」
という大きな疑問も解消される。
そして『1』のその後についても……少しだけ触れられる。
以上!
前作より説得力も物語性ももあって楽しめた。
さて次はどんなアイデアで攻めてくるのかねえ。
<2011/2/12観賞>