ヤコブへの手紙のレビュー・感想・評価
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ずっと手紙を書く人。
名画座にて。
大変失礼な告白をしちゃうと^^;
私はこのチラシ(は持っていた)のレイラ役カーリナさんを
長いこと、オッサンだと思っていた(爆)
いや、なんか郵便配達系のお話なんだな~と見つめていて、
作品を観て初めて、エ!オバサンだったの?と気付いたのだ。
いやはや~^^;
だってなんだか恰幅がいいもんですから(爆)すいません~。
こんな失礼な告白をしておきながらナンだけど、
これはとてもいい作品である。本当だ!(力を入れておく)
牧師の家を舞台に、盲目の牧師に届く手紙を読み返事を書く、
という仕事を仰せつかった元・囚人の心の機微と変化を描く。
誰にも心を拓かなかった囚人レイラが、突然の恩赦で出所、
行き先が牧師の家、という一見ワケの分からないストーリー
になるのだが、これがなんと、後半(というよりほぼラスト)で、
意外な結末を迎える。ネタバレ厳禁かな、ある意味^^;
レイラと共に、なぜこの家でこの仕事をすることになったのか。
を考えさせられ、自分の身の上を、家族の有り難さを、手紙の
持つ力と願いに魅せられる佳作。チラシ以上にインパクトあり。
(シンプルすぎるほど単純で静かな物語。手紙が懐かしくなる)
ヤコブ牧師 郵便ですよ~
映画「ヤコブへの手紙」(クラウス・ハロ監督)から。
フィンランド映画らしい、静かな作品の中にも、
人間そのものにスポットを当てた作品として評価したい。
恩赦を受けて12年ぶりに刑務所を出所した女性が、
ヤコブ牧師と一緒に過ごす間に、少しずつ心を開いていく物語。
盲目の牧師宛に、毎日のように悩み相談や、
お祈りを依頼する手紙が届き、それにひとつずつ丁寧に返事を出す。
なぜか「手紙」の持つ意味に、心が震えるのを覚えた。
しかし、世界中から寄せられる、その手紙を
一番楽しみにしていたのは、ヤコブ牧師、本人であった。
手紙を受け取ることで、自分の存在価値を見いだし、
自分の使命のように生きがいを感じていた、とも言えそうだ。
郵便配達人の自転車の音にさえ、ワクワク感を感じ、
遠くから聞こえる「ヤコブ牧師 郵便ですよ~」の掛け声に、
高齢で盲目である彼の生気がみなぎるのが、わかった。
今の時代の「携帯メールの着信音」に等しい気がする。
自分宛に、手紙・メールが届くのは、いつの世も嬉しいもの。
だからって、そう頻繁に届くはずがないのに、
一日に何度もメールを確認する人たちの気持ちが理解できた。
物語内の「ヤコブ牧師 郵便ですよ~」って掛け声は、
「ユー・ガット・メール」と呟くメール着信音と同じだな、きっと。
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