劇場公開日 2011年6月25日

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「絶望の中にも」BIUTIFUL ビューティフル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5絶望の中にも

2012年12月1日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

妻と別れ、幼い2人の子と暮らすウスバル。
養う為に、時には裏社会の仕事も請け負っていた。
ある日、余命宣告を受け…。

監督が黒澤明の「生きる」に影響を受けて作ったらしく、ヒューマニズム溢れる感動作かと思うと大きく覆される。
受け止め切れない程の重みを放つ。

ウスバルを取り巻く環境は決してイイとは言えない。
生活は貧しい。裏社会の仕事は常に綱渡り状態。
そんな時、突如として宣告された死。
死に恐怖し、絶望する。

しかし、絶望の中にも光はあった。
愛する2人の子供。
ウスバルは子供たちの為に生きようとする。

映画は父と子の湿っぽいお涙頂戴ドラマへ媚びようとはしない。
裏社会の仕事は犯罪映画のような緊張感が張り詰める。
ヒリヒリとした苦しさ、厳しさ、辛さ…。
絶望の中の微かな光に、人生や救いを問いかける。

どんな映画に出ても圧倒的存在感を放つハヴィエル・バルデム。
今作での演技は、オスカーを受賞した「ノーカントリー」の時以上。

近大