ラスト・ターゲットのレビュー・感想・評価
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淡々と展開する殺し屋の日常
ストーリーはかなり淡白で、ジョージ・クルーニーのクールな演技がマッチしています。
娼婦と、殺し屋の女が似ていて、ストーリーが混乱します。
セックスシーンは丁寧に描いてあるのに、アクションシーンは盛り上がりに欠け、見るべき点はありません。
正直、退屈な映画でした。
「殺し屋」にもなれるジョージ・クルーニー
まず冒頭のシーンで、
見る側を「あっ!えっ?」と、″なぞ状態″ にした上で物語がスタートする。
その後、舞台はイタリアに移るのだが、このイタリアの城塞都市カステル・デル・モンテが、非常に美しい。
本作の舞台としては最高だろう。
ヴィオランテ・プラシド、テクラ・ロイテンという二人の助演女優もすこぶる良い。
演技の巧拙というよりキャスティングの勝利だろう。
主役を演じる、
ジョージ・クルーニー扮する一流の殺し屋は、
実は愛に飢えている ″孤独″
特定の女性にだけ向けた一途な ″色気″
ターゲットに対する隙のない ″冷酷さ″
ちょっぴり高倉健のような(笑) ″不器用さ″
を全身に纏い、この役は彼以外では考えにくい、くらいまで感じてしまう。
(とか言いながら、キアヌ・リーブスならイケルかもしれない、なんて思ったりする)
と、ここまで書いたところで、またまた
ニコラス・ケイジによる『リービング・ラスベガス』と、
ジャン・レノによる『レオン』を思い出した。
なにを隠そう私は、
「世捨て人」&「薄幸な女性」
という組み合わせに滅法弱いのだ。
だが、この組み合わせは、決してハッピーエンディングをいただけないのが、映画の悲しい性(さが)なのだが、ラストシーンが切なく感じてしまうのは、見ているうちに自分がジョージ・クルーニーに成りきってしまっているからだろう。
良作であることは間違いないが、深みや意外性を期待してはいけない。
ということで、★3.5。
ところで、
この映画を見終わるたびに、ニットのセーターが欲しくなるのは何故だろう(笑)
アクション映画ではないですね・・・
組織に所属していたプロの殺し屋の悲哀を描く物語。
ジョージクルーニー主演の人間ドラマです。要所で殺しのシーンが出て来ますが、殺し屋の人間性再生が主テーマでした。
古くも美しい街並み、雄大で輝くような自然、そして女性の温もり。不器用に、そして戸惑いながらも気持ちの変化を受け入れる主人公。
それでも、クライマックスは緊迫感があり、物語を引き立てます。
ただ、残念ながら地味で抑揚を欠いているように感じられます。良い映画だとは思いますが、私的評価はやや辛めで標準点となりました。
※アクション映画ではありません
ひたすら渋い、いぶし銀の味わい
いぶし銀な味わい光る作品だったような、退屈な作品だったような、何とも微妙な線の作品ではありましたが、私はどちらかと言えばいぶし銀な味わいと感じ取れた方でしたかね。
まあアクション映画のような邦題のせいで途中まではちょっと盛り上がり度が少なすぎないか?と思いながら見てましたけど、渋みのある殺し屋を演じたジョージ・クルーニーの好演も相まって、終わってみれば哀愁とダンディズム溢れる作風に、いつの間にか嵌ってましたよ。
どちらかと言えばカッコイイ+茶目っ気たっぷりなキャラを演じることの多いクルーニーですが、ただただ渋いこう言う役も案外似合いますね。
とりあえず冒頭、スウェーデンのシーンは掴みはOKって感じで、まあ全体的に説明的なものがほとんどない映画ではありましたが、あのシーンでジョージ・クルーニーが演じた主人公ジャックが凄腕の殺し屋であることが分かる、何とも緊張感溢れるシーンに、いきなり心掴まされました。
逆にこれは面白そうな「アクション映画」になりそうだと期待を煽るようなシーンでもあったので、その後の静かなる展開は賛否両論と言った感じになってしまったでしょうか。
でも作品の大多数を占めたイタリアの山岳地帯に位置する田舎町での潜伏生活は、説明はないし静かでなかなかコトが進まなく退屈と言えば退屈なのですが、だからこそいつ狙われるか分からない緊張感もあって、これはこれで見応えがありました。
そんな孤独感を癒すような娼婦クララと過ごす時間も、一時の安らぎと言った感じで、まあ結末は何となく匂わせつつも、ホッとさせられる一幕で良かったですね。
娼婦クララと言い、銃製作の依頼人である美女マチルダと言い、作風に合ったセクシー美女で、思わず目が釘付けになってしまいましたよ!
しかし殺し屋の宿命とも言えるような、ラストへ向かう切なさたっぷりな終盤の展開は、クライムサスペンスとしても、ラブストーリーとしても見応えあって、最後の余韻も含めて嫌いじゃない展開だったなぁ。
ただ、ジャックが狙われるのも妙に納得、行動がアレですから・・・でも、人の温もりが欲しくなる、それもよく分かるような気はして、感情移入はさせられた作品でした。
とりあえず、田舎で外国人は目立つ、田舎あるあるですよね。
がっかりだ
15点
素材そのまま
静かさがいい
孤独な男を静かに儚く描いた耽美作品
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
殺しの場面の活劇もあるものの、美女が登場する耽美で少し芸術性のある儚げな話であり、派手な銃撃戦や緻密な暗殺計画がある犯罪活劇というよりも、孤独な殺し屋の生活を静かに描いた雰囲気重視な内容になっている。誰に襲われたとかどのような背景があるのかについてはどうでも良いようで、イタリアの田舎町で生活する男のことが描かれる。最後近く、食堂での場面は静かな緊張が高まっていて良い演出だった。ただ彼の心の情景を描いた雰囲気は悪くなかったものの、物語は説明不足が多いしありきたりで不満も残る。
ハードボイルド 罪と罰
アレ?確か「アメリカン」ってタイトルの映画を見たハズなんだけど…?
夏公開された「プロメテウス」は散々叩かれた。
日本の配給会社の宣伝ミスによって。
この「ラスト・ターゲット」も似たようなものだろう。
原題は「アメリカン」。
なのに付けられた邦題は「ラスト・ターゲット」。
B級アクションに百回は付けられたであろうチープなタイトル。
このタイトルからバリバリのアクション映画を想像するが、全然違う!
実に淡々としたサスペンス・ドラマ。
ジョージ・クルーニーの渋い演技とイタリアの田舎町の美しい風景が印象的な、どこか悲哀も感じる作風。
アクションを期待した人は肩透かしを食らうだろうが、作品には何の罪も無い。
秋にはピッタリのじっくりタイプの映画だ。
このタイトルのせいで、旧作になったらアクション映画の列に他のB級と共に無造作に並べられるんだろうなぁ。
何だか気の毒…。
相手役の女優がとても色気漂う美人!
ビオランテ・プラシドというらしい。
まるで植物怪獣のような強そうな名前だ。(笑)
結局‥映画をズタボロにするのは‥いつも日本側配給会社‥
映画が‥芸術作品か?経済商品か?は‥様々な議論分かれるトコだろうが‥
この作品への‥日本側配給会社の敬意の無さに‥
俺はただただ腹が立つ(`曲´#)
現題は/ザ・アメリカン
邦題は/ラストターゲット
ヒューマンドラマで有るハズだが‥売り方は→[ジョージクルーニーがスナイパーに!アクション映画だよ〜!]と???
●小さな嘘と贈り物‥
●トークトゥハー‥
●エレジー‥
↑映画への配慮や敬意を欠く関係者達が‥いつも映画をダメにする~ヽ('ー`)ノ~
【1人の男のヒューマンドラマ】
『‥アクション映画では無いし/Gクルーニーらしさも無い‥
ついでに言うなら‥
ハリウッドらしさも無い!』
映画への下準備?観る用意?をさせてくれなかった日本側配給会社/関係者へ‥
俺はただただ怒りを覚える(`o'ヾ
☆評は‥
DVD100円水準にて‥(^-^)
DVD買う度⇒②★★
モ、1回見たい度⇒②☆☆
オススメ度⇒②♪♪
デートで見る度⇒①◎
観る相方o(^o^)o】‥映画偏差値や経験値は高めだと思う‥
それでOKなら‥カノと観ても良いかも?
観た後のお店】イタリアンな定食屋?
観た後の飲み物】モンテプルチアーノ(o^o^)oY
観た後の食べ物】チーズペコリーノ‥
秀作になる可能性が高かっただけに‥
いろんな意味で残念だヽ('ー'#)/
短調のクラシックを聴いてるような映画
原題は『THE AMERICAN』
ジョークも言わないアメリカン。
彼はヨーロッパで“アメリカン(よそ者)”として浮いていたけれど、“アメリカ人だから”じゃなく、殺し屋家業を選んだゆえどこにいても何をしててもその疎外感から解放されることはない。そんな男の哀愁歌のようなお話でした。タイトル旨い!
殺し屋だし銃撃も出てくるけれどこの上なく“静”の映画。
雪景色、静寂の中で続けざまに三人を撃つという掴みでグッと興味を引き付けられて、その雰囲気がそのまま作中に流れます。
BGMも最小限。実際はそんなことないかもしれないけどそう感じるほど静か。だから必然的に色んな“音”に意識が行って緊張感が高まるし、たまの主張のあるBGMは効果的にドキドキハラハラ気持ちを盛り上げてくれる。
ヨーロッパの美しい景色やG・クルーニーの大人にしか出せないセクシーさやヨーロッパの綺麗な女優さんたちの魅力も相まって静かすぎるほど静かな映画だけど、退屈するわけじゃない。肌に合う合わないはわかれると思うけど私はこういう雰囲気好きです。
一番の退屈しない理由は、矛盾というか謎の多い行動に“孤独”以外の主人公の心がみえてこない、ということ。(孤独感は完璧!熟睡できない仕事なんてイヤ!!w) 彼だけでなく周りの人の心中も。だから知りたくなる。この作りはすごく上手だと思う。のに…
説明しすぎな映画は嫌いだけど、この締め方はちょっと「ご想像にお任せします」が過ぎるかなぁ。“大人の味わい深い映画”から一転しちゃって、なーんだ残念というガッカリ感が。それとも深すぎてまだ私にはわからないのかな。
最後の車内の葛藤や蝶々なんかはすごくいい演出だと思うんだけど、今まで意識的に影の部分ばかりに焦点を当ていたのでこっちも全ての登場人物に対して半信半疑でみていたから、そこまで感情移入しきれていなかったしいまいち心が揺さぶられない。
“謎”の部分の展開も、ミスリードなんかがあるわけじゃなく普通に観てたら想像できる範囲で動いて少し物足りない。唐突に消化していくのでクライマックスで盛り上がり所だろうに「あっそうだったの」とちょっと温度低めで観てしまいました。それでいて謎は謎のまま。
でもなにこの監督!駄作!となるわけじゃなくて、嫌いになれず他の作品にも興味がでてしまう不思議な作品でしたw
ジャック=米国に見える
殺しを生業にする男・ジャックが何者かに襲われる。
襲撃者を始末するが、正体の発覚を恐れたジャックは関係のない女も殺してしまう。
その後、組織の指示でイタリアの田舎町に身を潜めることになるのだが・・・。
そもそも、なぜジャックは襲われたのか?
襲ったのは何者で誰の指示だったのか?
カステル・デル・モンテの石造りの建物や入り組んだ階段、人との交流といった情景を丁寧に描きながらも、忍び寄る襲撃者から逃れるサスペンスの色合いを散りばめ、もたつくでもなく先走るでもなく適度なテンポで緊張の糸を引き絞っていく。
とくに、ひとりふたりと出ていき、ジャックひとりだけが店内に残されるドライブ・インのシーンは、ぐっと息を呑んで見てしまう。演出が上手い。一本取られたという感じだ。
物音ひとつにも緊張してろくに安眠できない日々のなか、娼婦のクララに癒しを求めるようになっていくジャック。殺し屋としては歳がいってしまった、背中に蝶のタトゥーをもつ男の哀愁挽歌。
この映画、一見そう見える。だが待てよ。原題「The American」はイタリアの片田舎での“よそ者”という意味か? 違うような気がする。
欧州から見たジャックはアメリカ合衆国そのものなのではないだろうか。
武器を造り、その武器を使う国。
武力は敵を作り、報復と称したテロの脅威に戦々恐々とする日々。
ジャックとアメリカという国の現状が重なる。
映画は、サスペンスの形をとってはいるが、ジャックが襲われた理由も、ジャックを襲った犯人も、どちらも作者にとってどうでもよかったのではないか。
ジャック=アメリカひとりに、いい思いはさせない。ひとりだけ甘い汁を吸おうたってそうはいかない。
そんな風に見えるのは思い過ぎだろうか?
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