「もう人殺しはしたくない!」ラスト・ターゲット kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
もう人殺しはしたくない!
パヴェル(ヨハン・レイゼン)という渋いおっさんから様々な依頼を受けていたジャック(クルーニー)。機械は苦手だと言い、携帯の取り方もわからない(笑)。ただし、銃の組み立てや車の修理は得意なのだ。車の医者ファビオから部品を調達し、サイレンサー部分を作ったり、かなり職人風。ある日、スウェーデンの殺し屋に狙われたりして、静かな村でも彼の命は脅かされているのだ。カメラマンと偽り、村人たちとも仲良く過ごし、クララ(プラシド)という娼婦と恋人かセフレのような関係にもなった。
常に誰かに命を狙われてるジャック。スウェーデンでは暗殺者2人と友人(?)である女も殺してしまい、罪悪感と疑心暗鬼に苛まれる日々。クララの部屋で寝たときに、拳銃を持ってることがわかり、彼女をも疑ってしまうのだ。マチルダ(ルーテン)にブツを渡すときも不安でしょうがないジャック。このまま静かに引退できるのだろうか・・・
結局マチルダに渡した自作のライフルで自分自身が狙撃の対象になることになったジャック。しかし、引き金を引いたマチルダは暴発により命を落とす。ジャックはそこまで考えて仕掛をしていたのだ。パヴェルも後始末をしようとジャックに銃口を向けるがパヴェルは即死、ジャックも腹に銃弾を浴び、瀕死の状態でクララの待つピクニックに行った川のほとりへ車を走らせる。
内容はハードボイルド映画なのに、抒情的なヨーロッパ映画を思わせる雰囲気。途中まではいいのだが、死にゆくジョージ・クルーニーの演技がイマイチ。もう人殺しはしたくない!といった感情は伝わってくるが、殺し屋の冷酷さが全くない。また、彼には最後に死んでいくイメージがないからかもしれないが、悲壮感が伝わってこないのだ。この場合、娼婦クララが仕事を辞めてジャック(エドワルドとかミスター・バタフライと呼んでた)と幸せになることを願ってるとか、彼女の心理面も強調すればよかったのに・・・