「みんなも観て確かめて欲しい!ラストは結局、人生万歳なのだろうか?」人生万歳! Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
みんなも観て確かめて欲しい!ラストは結局、人生万歳なのだろうか?
「人生万歳」のパッケージがズーッとレンタル屋で長い間気になっていても、何だか「人生万歳」と言うタイトルでは、面白そうには思えず、レンタルしなかったら、これが実はウッディ・アレンの作品だった事を最近になって気付いて、慌てて借りて観た。
もう、最高です!!!そもそも彼の映画との出会いは、18歳の時に観た「アニーホール」が凄く笑劇的で、高校生だった私はこんなに面白い映画がこの世の中に在るものかと、心底衝撃を受けたのを今でも昨日の様にハッキリと記憶している。
こんなマシンガンの様に早口で溢れ出るウイットの塊の直球を投げ掛けて来る映画をそれまではみた事が無かったし、ダイアン・キートンの美しさと言ったら、この世の人とは思えなかったが、それにもまして、彼女がウッディ・アレンと恋人役と言うアンバランスさも面白かったし、それ以来全作では無いけれど、随分と彼の作品は観た。
私は彼が出演して演じる役の男達は、皆偏屈男ばかりで、その偏屈ぶりが大好きだし、何処か情緒不安定で、悲観主義者でも有り、いつも皮肉屋で、その彼の口から機関銃の如く発せられるセリフの数々がテンポ良く、しかも、センスの良いウイットに溢れているのがとっても洗練されていて大好きで堪らない!
結局のところ、彼のファンである自分は、彼の様に博識では決して無いのだが、ヘソ曲がりで、偏屈なところが自分にも多く在るのだなって彼の映画を観ていると思えて、相当に自分って奴も他者から見ると気難しくて、付き合い難い、石頭だと吹き出して笑いたくなるのだ!
しかし、決して世の、ウッディ・アレンのファンの方が皆、偏屈で気難しい奴だと言っているのでは無い事を伝えて置きますよ。あくまでも私個人の事を言っているのです!
話をこの映画に戻しますが、今回のこの作品は、久し振りにNYに戻って来たウッディ・アレンの毒舌も健在成りと嬉しくなったけれど、この原題の「Whatever works」って「何でもOK、何でもありさ」って感じの訳だから、何処か皮肉屋のウイットばかりのジョークを飛ばしている彼でも、胸の内では結構多様性を認めている善人なのだと考えると思わずクスっと笑いが毀れてしまう!
メロディー役のエバンレイチェルウッドってもしかして、昔ケヴィンベーコンが出ていた「ウィズ・ユー」の子役だった子?と驚いた、こんなに魅力的な女性になったのか!
「スーパーチュズデー」と「レスラー」も未だ観ていないので、またこれで、新たな魅力に溢れた女優さんの映画を観る楽しみが増えました!
しかし、いくら何でも、これはやり過ぎ??と思ってまた笑いを吹き出したくなるラストの映画だが、新年など、私もちっとも嬉しくも、めでたくも無く、普通で良いのでは?とずーっと昔から思っていた私は、やっぱり偏屈な気難し屋なのだろうか?
でもそれでも何でも良いのではないだろうか?この地球と言う星には、神に似て創られた人間が多数住んでいて、神に似ている筈の人間が織り成す社会が住み難く、困難極まりない世界であり、そして人は悪人であるとするなら、神が不完全だったと言う事か?否、間違ってなど無いのだと思う。不完全だからこそ、過ちを訂正しながら、完成へと進化を続ける事が出来るのだと思うのだ。時に人は愚かで、退化していると言う事もあろうが、この世の総ての物は、変化しない事など無いと言う、不変の法則が働いている様に、ZEROは何も無い事では決して無く、総ての可能性を含有している空の世界で在る、その空の世界には総てが存在しているのなら、人間の社会でも、何事も自分自身がOKしたら、それこそが自分の生きている世界であり、間違いなど無いのだとこの作品は言っている様にも思えるのだ。
同じ地球に住んで同じ物を観ている様に思えるこの世界が、実は幻想であり、本来の世界とは、観察者の影響を総ての物質が受けているとするならば、総ての人達は全く別の世界に住んでいると言う事が出来るのかも知れない。う~ん、この映画やっぱり面白過ぎる!!