劇場公開日 2011年10月8日

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「罪深い人々」ラスト・エクソシズム Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 罪深い人々

2025年10月19日
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悪魔憑きを精神疾患だと言う声は勿論あるが、牧師をしながら悪魔なんて居ない、むしろ神なんて居ないと言う主人公は、教会での説教何て誰も聞いちゃいないとケーキの作り方の様な事をいかにも説教っぽく言っても、異を唱える人は一人もおらず、主人公も"ほらな?"という顔である。なんと罪深い人間だと思ったが、実際に悪魔は居なくても、悪魔憑きで苦しんでいる人の元にはエクソシストとして出向くのだが、嘘っぱちの悪魔祓いで元気になれるのなら、それも精神疾患の治療として人助けなのでは?という考えの元に行っている。確かに言ってる事も理にかなっており、後半に行くに連れて主人公は善人であると言うことがこれでもかと描かれる。

二大ホラーとして、「エクソシスト」、「オーメン」は挙げられるが、作品数の多さや、新プロットのホラーの誕生により、悪魔祓い系の作品は地味で怖くないという感覚になってきたが、本作は少し目線の違う、風変わりなオカルトホラーである。主人公の設定にも斬新さが感じられるが、またPOVの同じ様なホラーかと思いきやストーリーも二転三転して面白く、意外な事実を突き付けられる作品であり、楽しめる作品だ。
それでもやはり「地味」という感想はどうしても出てしまう。それはこの手のジャンルの宿命なのだろうか。イーライ・ロス製作という事もあり、ショック描写の演出等は中々良かったが、ジャンル的にもグロさは期待すべきでは無い作品である。恐らく、イーライ・ロスが関わったホラーで指三本に入る大人しさではないだろうか。

幾多あるオカルトホラーを熱心なキリスト教信者が観るかは不明だが、後半はかなり信仰の根底を覆してしまう展開である為、関係各所からお叱りを受けそうな気がしてならない。期待しすぎは禁物だが、サクッと観れるホラーとしてはベストだと思う。

Mina