「マイナーながらかなりの良作コメディ!笑いあり涙ありの珍道中。」伝説のロックスター再生計画! たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
マイナーながらかなりの良作コメディ!笑いあり涙ありの珍道中。
コメディ映画『寝取られ男のラブ♂バカンス』のスピンオフ作品。
落ちぶれたロックスターのアルダス・スノーと、レコード会社のアシスタントであるアーロンが巻き起こすトラブルを描くブロマンス・コメディ。
主人公の一人であるアーロン・グリーンを演じるのは『もしも昨日が選べたら』『ナイト ミュージアム2』のジョナ・ヒル。ヒルは前作『寝取られ男のラブ♂バカンス』にも出演しているが、演じるキャラクターは異なる。
スノーの元恋人、ジャッキー・Qを演じるのは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』『マリー・アントワネット』の、名優ローズ・バーン。
アメリカのコメディ映画には、とりあえず下ネタやっておけばいいだろう的な、はっきり言ってレベルの低いものも多いのですが、本作はしっかり笑えます🤣
会社の上司とモラルゼロのロックスターの間に挟まれて右往左往するアーロンの姿には、社会の理不尽さを感じて悲しくなるのと同時にかなりの面白さがある。
絶妙な表情や間の取り方で笑わせるジョナ・ヒルのコメディアンとしての腕は見事!
ロックスターのスノーは無茶苦茶な男だが、何処か憎めない愉快な人物。彼のキャラクターに好感が持てるので、作中でどれだけバカなことを引き起こしても不快にならない。この辺りのバランス感覚が絶妙だと思った。
ラスベガスで起こるスノーとアーロン、スノーの親父とアーロンの上司による四つ巴の大騒動はまさに傑作!オチの交通事故まで爆笑必至の展開です🤣
かなり笑える作品ですが、終盤でのスノーが全てを失い、失意のどん底に落ちいる展開にはとても悲愴感がある。そして、そこからの友情とロックへの想いによって立ち上がる展開には正直涙した。まさかこんな作品に泣かされるとは…。
劇伴音楽にはクラッシュやピストルズ、Tレックスなど、個人的に好きなバンドの名曲が使われており、かなりテンションが上がった!
また、ジョニー・デップやオーウェン・ウィルソンなどの有名俳優や、p!nkやラーズ・ウルリッヒなどのアーティストがカメオ出演しているのも見所。
マルフォイ役でお馴染みのトム・フェルトンの登場には驚いたしかなり笑った!
日本語吹き替えも非常に良かった。藤原啓治さんが吹き替えているスノーに対して『クレヨンしんちゃん』のネタがぶち込まれるなど、吹き替えだからこそのおもしろさがある。
途中で飽きるところもありましたが、涙あり笑いありの、コメディ映画の佳作。
前作である『寝取られ男』より、圧倒的に良く出来た作品だと思いました!