「初めての江口のりこ」お姉ちゃん、弟といく 透るさんの映画レビュー(感想・評価)
初めての江口のりこ
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初めて江口のりこさんの演技を観た。口や表情をほとんど動かさないでしゃべるので、モノローグかと思う瞬間があった。屈折した弟への欲情を秘めている役柄だが、少しも笑わない彼女の近寄りがたさや何を考えているのかわからない不気味さが伝わってきた。なおに恋愛感情があるさきが、なおに何を考えているのか教えてよ!と叫ぶシーンがあるが、好きな人の気持ちがわからないというかわいい拗れではなく、単純になおという人物の頭の中が理解できない焦りやもどかしさがあるのを感じた。
弟に欲情されて(いると思っていた)なおが、それ自体に欲情してしまう官能的シーンはすごく印象的。まだ弟を好きな姉という側面が判明する前、パンツについた弟の精液の臭いを嗅ぐシーンについて何も思わなかったけれど、判明後はなるほどね!そりゃ嗅ぐね!と思った。そういう細かい描写がよかった。
パンツはもしや姉じゃなくてその友人のものなのでは?と序盤に気づいていたら案の定そうだったけれど、それが発覚するタイミングや発覚の仕方が秀逸だと思った。弟がこれ、さきちゃんの・・と差し出すパンツ、一瞬ですべてを悟って羞恥と憎しみ、激しい嫉妬、怒りに初めて感情的になるなお、数えきれないほど弟の尻を蹴り上げるなお、的確に弟を抉る言葉で止まらず罵るさき、偶然にもなおと同様弟の尻を蹴るさき。
最後のシャワーシーンと弟の離別は気に入らない締め方だった。
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