ザ・ロードのレビュー・感想・評価
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とにかく最後まで絶望しかない作品
物語の舞台は荒廃しきって、明日明後日があるのかも分からないアメリカ。最後の灯火が消え入る寸前の世界を、2人の親子がただひたすらに海岸を目指して歩いてゆく。
あらゆる暴力や狂気、自然の猛威に立ち向かいながら歩く2人の姿に心を打たれるが、一番感動するのがやはり父親と少年の別れのシーンである。現実より夢にいる時の居心地が良いと感じた時、人は狂気に侵され始めている。父親は息子を守るために自分が正気を保たねばならないとあらゆる脅威に立ち向かうが、旅の半ばで息子をひとり置き去りに死んでしまう。少年がその時何を感じ、父親から何を受け継いだのか。出来れば小説を片手に見て欲しい作品である
世界観
なぜ世界が滅んだか、その後どうなったかは描かれていない
滅んだ世界で生き残った親子が安住の地を求めて旅する映画
親子の絆に涙したいがそういうのは割とサラッとしてて荒廃した世界のリアリティの表現に力を入れ過ぎてか果てしなく暗いのでだんだん滅入ってくる
某世紀末世界を気高く生きるのは難しいなって思いました。
最後に・・・
始めは暗くて、ひもじくてという感じでストーリーに集中できませんでしたが、そんな世の中でも優しい気持ちをきちんと育てていけた親子に万歳です。
時折みられる息子ちゃんの笑顔に、こんな時でも微笑むことができる人間ってすごい生き物だよなーと思わせてくれました。辛さに満ち溢れた絶望の世界を描いていたからこそ、最後に温かな灯をみることができました。私がこの世界の住人ならこんなに人らしく生きられるかしら(^-^;
ザ・ロード
父子愛がテーマになっていると思いますが、とにかく重い雰囲気で終始ストーリーが進んで行きますね。設定が話の進展がかなり強引な感じもしましたし、あそこまで極端な設定にしなくてもこの映画のテーマは十分に描けるような気もしました。1回でこの映画の本質も理解するのは困難かも知れません。
息子のためにすべてをなげうつ父親の姿に胸を打たれる
「ノーカントリー」の原作者として知られる文豪コーマック・マッカーシーがまだ幼い息子のために書き下ろした小説をヴィゴ・モーテンセン主演、「プロポジション 血の誓約」のジョン・ヒルコート監督で映画化したロードムービー。
同時期公開のデンゼル・ワシントン主演「ザ・ウォーカー」と内容がかなり被るが、一応娯楽作となっている「ザ・ウォーカー」と比べると、こちらはかなりアート寄り。ストーリーも現実感重視でカタルシスがなく、不満を漏らす観客が多そうだが、本作の見どころはストーリーではなく、旅の道中で交わされるヴィゴ親子の愛情。そして息子の成長。すべてが崩壊した無秩序な世界にもかかわらず、倫理観を保ちつづけ、息子のためにすべてをなげうつ父親の姿に胸を打たれる。
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