「息子のためにすべてをなげうつ父親の姿に胸を打たれる」ザ・ロード 広谷賢次さんの映画レビュー(感想・評価)
息子のためにすべてをなげうつ父親の姿に胸を打たれる
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「ノーカントリー」の原作者として知られる文豪コーマック・マッカーシーがまだ幼い息子のために書き下ろした小説をヴィゴ・モーテンセン主演、「プロポジション 血の誓約」のジョン・ヒルコート監督で映画化したロードムービー。
同時期公開のデンゼル・ワシントン主演「ザ・ウォーカー」と内容がかなり被るが、一応娯楽作となっている「ザ・ウォーカー」と比べると、こちらはかなりアート寄り。ストーリーも現実感重視でカタルシスがなく、不満を漏らす観客が多そうだが、本作の見どころはストーリーではなく、旅の道中で交わされるヴィゴ親子の愛情。そして息子の成長。すべてが崩壊した無秩序な世界にもかかわらず、倫理観を保ちつづけ、息子のためにすべてをなげうつ父親の姿に胸を打たれる。
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