「アニメーションのオーパーツ物」赤毛のアン グリーンゲーブルズへの道 けんじん∞さんの映画レビュー(感想・評価)
アニメーションのオーパーツ物
当方、テレビシリーズを放送当時から毎週ワクワクしながら見てきた者として、幻の再編集版がついに映画館で上映されるとのアナウンスがあった当初からずっと楽しみに、初日の初回上映を観てきました。
テレビシリーズの1話から6話までを100分に編集したとなっておりましたが、テレビ版をほぼ全編ベタで流しているのではないか?と思えるくらいでストーリー的にも演出的にも違和感がありませんでした。
唯一、アンがグリーンゲーブルズの桜の木とゼラニウムに名前を付けるシーンがカットされているのに、グリーンゲーブルズを離れる場面で馬車の上からその名前を叫ぶシーンがありまして、初見の人は何に向かって叫んでるかわからないだろうなあ〜と思いましたが(というか、初見の人なんているのか?と思いながら見ておりましたが)、グリーンゲーブルズに戻れるようになってから「雪の女王様(桜の木の名前)、ボニー(ゼラニウムの名前)、これからもよろしくね〜」というアンの歓喜の叫びできちんと伏線回収してくるあたり、うまく時短編集しているなあと思いました。
というか、驚くべきは映像!!
当時13インチのテレビ画面で観ていたものを劇場の大画面で見ても、否、劇場の大画面で見るからこそ情報量が多く、なによりグリーンゲーブルズの自然が、人々が本当に美しい!
アンがアップでゆっくり振り向いていくシーンなどもシレッと表現しておりましたが、実は当時のアニメーション技術として物凄いことをやっていたというのが今だからこそわかりまして、驚愕するとともに大画面で観る価値が十分にありました。
とは言え、当たり前ながら画面サイズは4:3ですし、音響はモノラルですし、IMAXで見慣れてる現在の視聴環境からすると最初は違和感がありましたが、そんな些細なことはすぐに忘れさせられまして。やっぱり大切なのは作品の質じゃん!と思いました。
そんなんでこの作品、あの時代のアニメのクオリティとしては映像もストーリーデリングも全てがオーパーツものです。
短い上映期間ですが、気になる方は是非ともお見逃しのないようオススメいたします。