ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士のレビュー・感想・評価
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自宅にて鑑賞。スウェーデン・デンマーク・独の合作で、原題"Luftslottet som sprängdes(爆破する女)"。S.ラーソンのベストセラーを映画化した三部作の第三作。前作迄、余り見せ場の無かったL.エンドレの“エリカ・バーガー”やA.ハリンの“アニカ・ジャンニーニ”、T.ケーラーの“疫病神”等が活躍する。ラストシーンの素っ気無い再会と別れはこのシリーズの二人の関係をよく表しており、とても佳い。三作を振り返り、小品の印象は否めないが、厭きる事無く全作を観れた。65/100点。
・良くも悪くもこの『ミレニアム』三部作は、N.ラパス演じる“リスベット・サランデル”の映画。通して観ると『2』→『3』→『1』の順で撮影されたのではないかと思われる。亦、三部作を通し音楽を担当したJ.グロートは僅か四日間で全ての曲を録音したソウだが、スコアを含めたメモは総重量33kgにも及んだと回想している。
・鑑賞日:2012年6月8日(金)
女性として強く共感
「ミレニアム」3部作の最後の作品。第一作「ドラゴン タトゥーの女」と、第2作「火と戯れる女」に続く第3作だ。スウェーデン映画。
世界中で 1000万部以上売れに売れたベストセラー小説を 映画化したもの。残念なことに この作家ステーブン ラーソンは 作家として油の乗り切った時に 若くして2004年に亡くなった。
キャストのマイケル ナクビストは スウェーデンで人気の 日本で言えば 高倉健のような人だったが 映画のおかげで 世界のマイケルになったし、ノーミ ラパスは ハリウッド女優なみの扱いを受けるようになってしまった。スウェーデン作家によるスウェーデン映画であるところが良いのに、この3部作の映画での成功を見て、ハリウッドが 別の俳優を使って同じ映画を作るようだ。2番煎じもいいところ。ハリウッドもオリジナリテイーに欠ける。
キャスト
リズベット サランダー:ノーミ ラパス
マイケルブロンクビスト:マイケル ナクビスト
ストーリーをおさらいする
リスベットは14歳で 性暴力で自分や母を虐待してきた父親に ガソリンをかけて火をつけ 焼き殺そうとした。その罪で精神病院に送られるが、ここでもベッドに1年以上 拘束されたまま 精神科医によって 性的虐待を受ける。成人してからは またしても後見人からサディステイックな虐待を受ける。エリザベットは 理解者も信頼すべき友人もない中で一人で生きて行かなければならなかった。
彼女はコンピューターハッカーとして天才的 特異な才能をもっていた。企業の秘密を ハッカーして盗み出すプロとして、生活するようになった。
病的なナチ信奉者による連続女性猟奇的殺人事件を追求していたジャーナリスト「ミレニアム」紙の マイケルと、コンピューター上で知り合い、マイケルはリスベットの協力を得て 事件を解決する。マイケルとリスベットの間には 男女の愛情を越えた友情が芽生えはじめた。
ここまでが第1部。
リズベットの後見人が殺された。
死体の横には りズベットの指紋のついた銃が落ちていた。また同じ時期に「ミレニアム」の編集記者とその妻が 残忍な殺され方で殺された。死体から出てきた薬きょうは リズベットの後見人が殺されたのと同じ銃から発射されていた。殺された記者は ロシアマフィアの人身売買について、記事を書いていたが、そのレポートも奪われた。
リズベットは警察から指名手配され、殺された記者の書いたレポートを探し求めるマイケルの身にも危険が及ぶ。そこでわかったことは、ロシアマフィアの大元は リズベットが14歳の時に 殺そうとした実の父親:ザラだった。ザラは スウェーデンの政治家や ビジネスのトップ達に 人身売買で連れてきた東欧の女性を手配したり、ぺデファイルの生贄を供給していた。ザラとその息子は リザベットを消そうとする。警察に追われながら、リズベットは ザラたち、ロシアギャングからも逃げつつ、復讐を試みる。しかし遂に ザラに捉えられ 頭や体に6発の銃弾を受け地中ふかく埋められる。リズベットは 死に物狂いで 穴から這い出して さらにザラにナタで襲い掛かり復讐しようとして 駆けつけたマイケルに救われる。警察は傷だらけのリザベットと ザラを逮捕するが、兄を獲り逃す。
ここまでが第2部
病院でザラは スウェーデンの高官から口封じのために殺される。リズベットも、同じ殺し屋から追われるが、マイケルの機転で助けられる。彼女は後見人と「ミレニアム」紙の記者とその妻を殺した容疑に加えて、ナタで父親に襲い掛かり大怪我をさせた容疑で 裁判所に引き出される。自己弁護しなければならない身になって、彼女は自伝を書き始める。マイケルはそれを出版することになった。何故子供のときに 父親にガソリンをかけて殺そうとしたのか、精神病院のベッドで何があったのか、また後見人からどんな虐待を受けていたのか、、、リズベットの過去が明らかになる。マイケルは法廷で 公安警察とともに、ロシアマフィアに汚染されたビジネストップや政府高官たちの 腐敗した姿を明らかにする。
リズベットに判決がおりて、、、
と ここで第3部も終結する。
世界1の福祉国家 スウェーデン。表向き 静かで平和な社会に はびこる腐敗と汚職、汚れた金と異常な性愛、権力者たちの いびつな欲望。スウェーデンの「いま」を映し出している。
何にも恐れず ちゅうちょなく頭から危険に飛び込んでいく リズベットの向こう見ずな行動力と 絶対負けない気力がすごい。
子供の時から これでもかこれでもか と虐待されて、性的に貶められて傷だらけになりながらも 精神は全く打たれない。小柄なひとりの女性が ロシアマフィアや政府高官たち、ビジネスのトップの面々、暴力団、バイクギャング、プロの殺し屋 すべてを敵にまわして 平然と自分の足で立っている。パワフルで、力強い。勇気つけられる。
トサカヘアーにメタルルックス。鼻や唇にいくつものピアス。高いブーツに ぴったりのレザースーツ、キッス並みの化粧、アッと驚くパンクファッションに包まれた やわらかい心の傷。触れば血が噴き出してくる生傷を抱えて しかし決して打たれない。そんなリズベットの姿に 女性なら みな共感を覚えるだろう。心から あたたかい拍手を送らずにいられない。
ニヤリとする女。
で、ついに三作目…だったんだけど、
どうなんでしょう^^;
一作目&二作目に比べるとずいぶん大人しい。
リスベットの化粧も大人しい(ってか素顔が多い)
…この最終決戦で、あの親父&兄貴と闘うのかと
期待していたら、アレ…?アッサリ親父は殺される。
じゃあ次は医師か!?などとつい敵を限定したくなり、
とにかくリスベットが早く闘わないかとそればかり^^;
あんな重傷でそんなすぐ良くなるワケないんだけど。。
その間、ミレニアム発行に向けて頑張るのがミカエル勢。
リスベットがリハビリに励む間、脇を飾る面々が動いて
今作を盛り上げていくんだけど、、例えばミカエルの妹
アニカや、疫病神(ホントこのヒト笑える)、そして今回
リスベットの担当医師など、味方勢が増えて嬉しい限り。
やっとリスベットが収監され、いよいよ裁判が始まるが…
もうほとんど謎は暴かれているので、あとはその巨悪を
裁判でどう料理するのか、アニカの腕とリスベットの
ど根性(あの恰好!)でニヤリとするところなんかゾクゾクv
前回までがあまりに凄惨なため^^;とにかく大人しい法廷
シーンが(過去の映像も出ますけれど)不思議なくらいだが、
ミカエル達を襲う魔の手や、ラストに待ち受ける奴(!)との
闘いなど、ハラハラするシーンも一応設けられている。
あーホントにもうこれで終わっちゃうんだ…という一抹の
寂しさがラストの余韻に加わり、いい終わり方をしている。
この作品、ハリウッドでリメイクが決定している。
どうなるんだろう~まぁ一作目が一番インパクトが強いので、
面白い作品にはなりそうだけど、しかしN・ラパスのキャラが
鮮烈なので、どこまで彼女に近づけるか。楽しみだ。
(やっぱり鼻ピとタトゥーの謎は分かりませんでしたねぇ^^;)
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