「「すぐ会おうね」という台詞はいいが・・・」親愛なるきみへ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
「すぐ会おうね」という台詞はいいが・・・
ジョンとサバナは、互いに一目でひかれ合い恋に落ちるが、ジョンは陸軍特殊部隊の兵士で、休暇が終われば任務に戻らなければならない。
2週間の休暇が二人の愛を育むことになり、輝いた時間を過ごす。
ここは、チャニング・テイタムとアマンダ・セイフライドが、あっという間に過ぎていく2週間の恋と、会えなくなる失望感をうまく表現している。
「すぐ会おうね」の台詞も恋する心情と時間を惜しむ気持ちをよく表している。
また、二人の間では「愛してる」と同じ意味を共有する言葉でもあり、後の大事な場面でも使われる。
ところが、このあとの演出がヌルい。
会いたくても会えないもどかしさと、待っても待っても届かない手紙へのイラだちが、共感できるほどピークに達しない。
しかも、ただ出張で遠距離恋愛になったのではない。ジョンの赴任地は転々とし、場所は軍の極秘で伝えられない。サバナにしたら、恋人が何処にいるのかも分からず、その生死も定かでない。
そんななか、「地球の何処かで同じ月を見ている」なんて表現は悠長すぎる。
若い二人の狂おしさがぜんぜん伝わってこない。
この手のドラマにつきものの“寄り道”、つまり横恋慕や三角関係、心変わりなどは、見る者をソワソワさせたり落胆させたりできなければ意味がない。
ここでも“寄り道”を有り合わせで済ませてしまったような設定で安直だ。そのぶん力強さがなく、見ていても二人が置かれた境遇の変化に、まったくイラつきをおぼえない。
ちっともヤキモキしないラブロマンスをヌルいと言わずになんと言おう。
ジョンの父親の存在が単調な話にうまくアクセントをつけたのが唯一の救い。
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