劇場公開日 2010年5月15日

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ビルマVJ 消された革命のレビュー・感想・評価

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5.0ビデオ・ジャーナリストが命懸けで伝えた真実

2011年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

凄まじいね!
ドキュメンタリーの域を超えてるね!!

2007年9月
ビルマで起きた反政府デモを
武力鎮圧した際のドキュメンタリーです。

日本においては、
ジャーナリストの長井健司さんが
軍部によって射殺された記憶が、まだ新しいところ。

作品タイトルの「VJ」。
これはビデオ・ジャーナリストの略称。

命懸けでビデオを回しつづけた
映像を集めたものが今作になります。

『クロッシング』北朝鮮
『シリアの花嫁』イスラエル・シリア
『戦場でワルツを』パレスチナ・イスラエル
『ペルシャ猫を誰も知らない』イラン

フィクション、ノンフィクションの違いはあれど、
とんでもない、日本では想像もつかない国々の内部事情を
映画を通して、観てきましたが、今作はそのいずれをも凌駕する

“ドキュメンタリーの域を超越したドキュメンタリー”になっていました。

だって、エンディングテロップで
何事もなかったかのようにサラッと、

「(今作を撮影した)3名が軍部に
拘束。おそらく終身刑を言い渡される」

書かれてしまう、感覚が麻痺しているとしか思えない凄まじさ。

映像も、どこかの国の戦争映像のような
まるで、ゲーム感覚のようなお気楽さは皆無。

手持ちカメラの映像は揺れまくり。
銃撃、催涙弾発射、暴力、殺害、死体が映るだけでなく、
必死で逃げていると思われる雑草、暗闇、階段のなか、
行き止まりの細い路地裏など、臨場感の単語では足りないほどの臨場感。

僧侶を中心とした民衆の
民主化を求めた非武装蜂起。
しかし武装した軍部に完膚なきまでに叩きのめされてしまいます。

軍部の弾圧は、行方不明者の数や
川に浮かぶ死体の目を覆いたくなる姿を見ると
『カティンの森』のような大量虐殺が起きているのではないか、
そんな最悪の光景が頭に一瞬よぎってしまうほどの残虐さでした。

「僧侶や民衆が殺されるしか民主化の道はない」

まるで救いのない悲痛な言葉。
つまり、それにより国際世論の非難を高め、
内部からだけでなく外圧に頼らなければならないほど、
軍部による軍部内部、民衆への圧力の大きさに国が統制されているのです。

“秘密警察”

こんな単語を聞いたのは、
旧東ドイツや旧東欧共産国家時代以来。

なにが正しいのか
なにが正義なのか

日本の価値観では
はかることの出来ない国の姿が、そこにはありました。

☆彡     ☆彡

2007年9月
民主化運動に高揚した無数のビルマ国民は
現在ジッと鳴りをひそめ耐えているのでしょうか。

今作
上映による収益の一部は
ビルマ民主化に向けて戦う
「ビルマ民主の声」に寄付されるとのこと。

ビルマに平和を
ビルマに開放を
ビルマに自由を

そしてビルマ国民に幸せが
訪れることを切に願わずにはいられません。

目をそらさずに
瞼に焼きつけなければならない衝撃作。

文句なしの5.0点です!!

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septaka