劇場公開日 2010年5月14日

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「【114分間、あなたは最前線へ送り込まれる】」グリーン・ゾーン Natsukiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【114分間、あなたは最前線へ送り込まれる】

2010年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

難しい

ジャーナリスト【ラジャフ・チャンドラセカラン】著『インペリアル・ライフ・イン・ザ・エメラルド
シティ』を元にした作品

ドキュメンタリー作家出身のポール・グリーングラス監督の作品は
どの作品も臨場感のある【揺れるカメラ】で大好き

彼が演出した『ボーンスプレマシー』と『~アルティメイタム』は
あまりのリアルさから その後のアクション映画を【リアル路線】に
向かわせ 演出までもを劇的に変えた

その影響は『ミッションインポッシブル』と『007』のシリーズも
リアル路線に変更したほどで 映画界に与えた影響は計り知れない

徹底した取材により 現地の様子も忠実に再現し
主要キャスト以外の軍人に実際の【イラク帰還兵】を起用し
ているなど いろんな面でリアルさを徹底している

オープニングから最前線での爆撃が容赦なく始まり

【114分間、あなたは最前線へ送り込まれる】

というキャッチコピーに偽りはない

『ハリポタ』シリーズのルシウス役や『ピーターパン』のフック船長や
『ブラックホークダウン』で強烈な印象だった【ジェイソン・アイザックス】が
セリフは少ないながらも憎々しさ爆発で『ボーンスプレマシー』で
寡黙にボーンを追い詰めた【カール・アーバン】並の敵役で好演

同じく『ハリポタ』シリーズでマッド・アイ・ムーディ役だった【ブレンダン・
グリーソン】がCIA役で登場し 密かにJアイザックスと再共演し
再び敵対している点も面白い

この作品は【反米色】が強く政治的に賛否両論だが
『ボーリングフォーコロンバイン』や『華氏911』で【何かとお騒がせ】な
ドキュメンタリー作家【マイケル・ムーア】はやはり大絶賛していた

現地で取材していたジャーナリスト達からも肯定的な意見が多いこと
からも 史実に近いリアルさで描かれている事が分かるが 【デート
ムービー感覚】で鑑賞した人の感想は否定的なものが多い

確かに『ボーン~』シリーズの様なアクション映画やサスペンス映画としての
【娯楽色】を求めたら ちょっと違うかもしれない

イラクで米軍の従軍カメラマン(日本人初)を経験し 実際のグリーンゾーン
にも駐留していたという【戦場カメラマン:渡部陽一】氏も本作の
細部にわたる脚本と美術のリアリティを絶賛していた

似た題材で大好きな作品『キングダム』同様に
ラストのイラク人の発する【言葉】に『ハッ』とし ドキリとさせられた

Natsuki