「助けても大きなお世話。」グリーン・ゾーン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
助けても大きなお世話。
あの「ハート・ロッカー」や「ユナイテッド93」と同じ
撮影監督を使って緊迫感ある映像に仕上げている作品。
ボーン~シリーズでお馴染のデイモン&グリーングラス、
そして米国にしてみれば「またか?」のイラク戦争が題材。
確か向こうで公開された時、初めは興収上位なものの、
その後たいしてヒットしなかったといっていた記憶がある。
だろうな~^^;と思った。
作品の出来がどうのというのでなく、既知の事実である
事件をまたスクリーンで観ようとは誰も思わないもんねぇ。
イラクへの軍事介入が何をもたらしかは国民が解析済み。
でも、私達のような平和安全第一国にはこういう真実が
なかなか、しっかり、鮮明には伝わってこない。
だからこうして映画化してくれることには大賛成!!
戦争に善ヒーローなんてもともと存在してないんだから。
デイモンの、終始黙々と汗して走り回る姿は完璧。
何で自分たちがこんな任務を任されているのか?
そして一体どこに大量破壊兵器が隠されているのか?
疑問が不信に変わり独自調査を進めても、すぐ潰され、
まったくもって進展をみない。。自分の仕事に対し
不信を抱えたままやらされるなんて確かに辛いなぁ…。
しかし彼って、また組織上層部と闘うわけね^^;
足の不自由なイラク人・フレディという男が、自ら協力を
申し出て、やがて彼らは触れてはいけない真実に迫る。
暴かれる真相をひたすら追う部分には観応えがあるが、
いつどうなるか分からないというジワジワした恐怖度は
「ハート・ロッカー」の方が上。情報が飛び交う頭脳戦を
内部抗争の形で見せる本作にはエンターテインメント性
はあるけど、私はラストの一撃まで印象が残らなかった。
グリーン・ゾーンって、一体どこが安全地帯なんだ?
多くのイラク人が殺され、建物が破壊され、だけど俺らが
守ってやるからな!いい国を作ろうぜ!ってご冗談でしょ。
フレディら国民の立場に立って考えてみる。
「自分たちの国は自分たちで作るんだ!」その通りです。
その代わりどんなに苦しんでも、どんなに血が流れても、
他国に協力要請とかしないで下さい。血の気が多いから。
大きなお世話を焼きたがるオバサンがよくいたもんだが、
そのオバサンが、更に夫婦喧嘩を増幅させたりもする^^;
…例えが悪すぎるけど(爆)
フレディが最後に言いたかったのは「もうほっといてくれ!
アンタらの助けは大きなお世話なんだよ、バカヤロウ!」
って感じだった気がする。。デイモン、絶句だ。。
(優位に立ちたがる人っていますけどね。嘘までついてね。)