「駄作過ぎて怒りさえ覚える」わらの犬 saikimujinさんの映画レビュー(感想・評価)
駄作過ぎて怒りさえ覚える
オリジナルは物凄くいや〜な話なのに、綺麗にしちゃったからつまんなくなっちゃった。これぞリメイクの失敗例。
あらゆる面で重要なポイントが弱まってるが故に、物語の魅力が弱まってる。
物語の魅力とは、まず、田舎町のいや〜な男たち。暴力的でやらしくて、遠くからこっちを見ながらニヤニヤして、何やらクスクス笑ってる感じ。その不吉さが足りない。
そして主人公の男。これはキャスティングのミス。見た目が弱そうに見えない。
オリジナルのダスティンホフマンの様に、背が小さくて、女々しく、ナヨナヨした頼りなさが、ジェームスマースデンにはない。
外見だけでなく、内面も駄目だ。非暴力にもっと固執しないと…。
オリジナルでは、段々とエスカレートしていく暴力に対し、まるで自分に言い聞かす様に、しつこく非暴力を訴えるさまが、観客を苛立たせた。そこが良かったのだ。そういう所も含めて、いや〜な映画だったのだ。今作ではその部分がしっかり描けてなかった。重要な所なのに…。
あとオリジナルでは、汗が良かった。やたらジメジメして、あぶら汗で顔がてかり、髪の毛はぺったんこで、眼鏡がずり落ちる感じ。いや〜な雰囲気がしっかり出てた。
今作はさっぱりだ。
そして嫁。せっかくのケイトボスワースなのに、レイプシーンが甘い。何故もっと強引にやらないのか。何故もっと抵抗しないのか。2人目のレイプシーンにおいては最悪で、あの汚い野郎が現れて、え?!最悪だ…となるのに、旦那のハンティングシーンをカットバックで見せすぎるから、その衝撃が弱まってしまっている。オリジナル通りバックでレイプするのは正解なのだが、もっと荒々しくやらないと…。もっと観客を不愉快な気持ちにさせないと!そこがわらの犬の醍醐味だろ!
ケイトボスワースは個人的に好きなのだが、正直この役には合わない。もっと肉付きのいい、エロそうな女の方がいい。そして何より、オリジナルの女はもっと馬鹿っぽかった。そこが良かったのだ。ケイトボスワースは、馬鹿に見えない。
猫の死骸のシーンでは、猫がアップにならないから、主人公と一緒に驚けない。微妙に見えてるけど、が故に、え?何?みたいな感じ。勿体無い。
オリジナルを見た後は、こんないや〜な気持ちになる映画、二度と見たくない!と思った。
今作は、つまんないからフツーに二度と見たくない。