劇場公開日 2010年7月24日

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「実話に基づく感動ストーリー」小さな命が呼ぶとき 植田仁さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0実話に基づく感動ストーリー

2024年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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『小さな命が呼ぶとき』は、実話をもとに家族愛と医療への情熱を描いた感動的な映画です。主人公のジョン・クラウリーは、ポンペ病という難病を抱える子どもたちの父親であり、彼の挑戦はまさに「小さな命の呼びかけ」に答えるものです。現代医療では不治とされる病に立ち向かうため、ジョンは自ら資金を集め、治療薬開発に賭けます。この勇気ある行動は、家族に対する愛が強い原動力となっており、彼の一貫した信念に胸を打たれます。

特に印象的なのは、研究者ストーンヒル博士との出会いと彼らの関係性です。ストーンヒル博士は、常識にとらわれない変わり者の科学者ですが、ジョンとの関わりを通じて次第に変化し、治療薬の開発に熱意を注いでいきます。二人が共に困難に挑む過程は、単なる友情を超えた人間同士の信頼関係を描いており、彼らが目指す「希望」が画面越しに伝わってきます。

医療現場のリアルさも、この映画の魅力の一つです。新薬開発には膨大な資金と時間が必要であり、家族にとっては一刻も早い進展が求められますが、現実は厳しく、進捗は遅れがちです。その間に親が抱える葛藤や焦りも丁寧に描かれており、実際にこうした困難を抱える家族の心情に共感せずにはいられません。ジョンの家族は、日々不安と戦いながらも希望を捨てず、全力で子どもたちの命を守ろうとしています。この姿は、観る者に「人が他人や家族のためにできる最大限の努力」とは何かを考えさせるのです。

この作品を通じて感じたのは、愛する人のために行動する力の偉大さです。家族の未来を変えるため、ジョンが懸命に挑む姿勢は、どんな逆境にあっても前に進むことの重要性を教えてくれます。

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植田仁