飛べ、ペンギンのレビュー・感想・評価
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名古屋からスタートした“真・韓国映画祭”
“真!韓国映画祭”
2月27日(土)~3月19日(金) ポレポレ東中野
『飛べ、ペンギン』
『今、このままがいい』
『空を歩く少年』
『ビバ!ラブ』の全4作品を
上映後の監督ティーチイン付きで鑑賞してきました。
◇ ◇
この映画祭のきっかけは
あいち国際女性映画祭のディレクターも務める
名古屋シネマスコーレ支配人、木全純治氏が、
釜山国際映画祭参加時に、日本で公開されていない
韓国映画にも良い作品が、たくさんあると気づかされ
キノアイやシネマコリアと共同で、今回この4作品を選び開催されることになりました。
だから、よくありがちな東京主導ではなく、
昨年12月に名古屋で上映後、今年3月になって東京へ上陸という流れになっています。
ですので、今作と『今、このままがいい』の2作品は
今映画祭以外にも、木全さんがディレクターとして関った
2009あいち国際女性映画祭でも既に上映されています
(この映画祭開催期間中は協賛している映画館の鑑賞料金が
女性だけ割安になるんですよね。羨ましくて仕方がなかった)。
だから、当日は木全さんだけでなく、
お客様の中にも名古屋からの遠征組がいらっしゃったようで
ティーチインの際「これが2回目の鑑賞」「これが3回目の鑑賞」といった挨拶が飛び交っていました。
当日は雨模様でしたが、それにもかかわらず
たくさん集まったお客さんの中、上映は開始されました。
☆彡 ☆彡
なかなかコミカルでよかったな
男目線と女目線で感想が変わりそうだな
・教育ママ夫婦
・ベジタリアン男性が新任で着任する市役所
・一人韓国に残り、子供2人と奥さんは外国に住む夫婦
・活動的な妻と引きこもりがちの夫、対照的な老夫婦
4つのシーンを、登場人物の人間関係を
緩やかに繋げながら、オムニバス調に話しは進められていきます。
韓国の人権侵害委員会から映画製作を依頼されたとあって
ベジタリアンな人、タバコの問題なども取り上げられていますが、
決して重くならず、あくまでコミカルに描ききられています。
ちなみに作品タイトルの由来ですが、
韓国では、子供を早期留学させたものの経済力のない父親を、
“ペンギンのパパ”と呼ぶそうで、そこから名づけられています。
もう、この時点で、ある意味立派な人権侵害、侮蔑発言ですよね(苦笑)
◇ ◇
男目線で見ると
結構キツイ作品かもしれません。
教育ママは
「息子が英語が苦手だから今日から我が家の会話は英語で」と暴走
ベジタリアン男性は弱々しい(よくいえば優しい)
留学夫婦は、子供は奥さんに頼りっぱなし
奥さんの口からも「あなたは知らなくていい!」旦那さん立場なし
老夫婦は、奥さんは運転免許を取ってしまうほど
活動的なのに、旦那さんは変化に対応しようとせずひきこもったまま
と、総じて
女性が元気で
男性は元気がない。
Sの女性 vs Mの男性
この構図が見事に成立しています。
ただ、冒頭の感想に「よかったな」と
記したとおり、どこのシーンもハッピーエンドで
幕を下ろしますので喜ぶべきかな、男性も救われて終わっています(笑顔)
◇ ◇
個人的には、
ベジタリアンな男がメインになる
市役所の人たちのパートが一番良かったです。
肉はダメ、生ものダメ、酒は一滴も飲めない
職場の先輩に奇異な眼で見られ、いじめられながらも、
肉を食べられなくなった理由を、2人きりになった病院で
知ってからはそんな彼を理解し、サポート。よき同僚になっていく。
ベジタリアン男性と同期入社の女性が
「なんでそんなにいじめるのよ」と抗議を
せんばかりに階段に隠れてタバコを吸うシーンの
挿入されるタイミングも絶妙。このパートが先の
読めぬ部分も多くて、一番楽しかったです(笑顔)
☆彡 ☆彡
現在の韓国社会の縮図を覗けます。
留学一家を見たときには、
キム・ヨナさんの姿が頭をよぎってしまいました(苦笑)
小さなお子さんを持つ夫婦から、老夫婦まで。
腰の重い旦那さんに、奥様から口に出しにくいことを
それとなく伝えるのに、適している作品かもしれません。
まぁ、それ以前に、映画館まで連れて行くのに一苦労しそうですけどね(苦笑)
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