書道ガールズ!! わたしたちの甲子園のレビュー・感想・評価
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アンジェラ・アキ
不況の風はアーケード商店街にもろに刺さる。あちこちの店がシャッターを閉めている様子はかなりさびしく映るのだが、明るい書道パフォーマンスがかなり対照的だ。そんな中、清美の父が経営する好永文具店が閉店。里子の親しかった高田製紙工場も倒産して炎上。清美は転校していった。紙の町としての文化、そして商店街の活性化のために書道パフォーマンス甲子園を開催することを提案する。
既成の大会、上からの強制、そんなものは全くない。生徒たちが自ら立案、計画した書道パフォーマンス甲子園。「つまらない書道」と言われたことに自らを問い直した里子(成海)はパフォーマンスに惚れてしまった清美に触発され、父親の言いなりになることをやめた。それは商店街の復興と紙の町の再認識とも相まって、皆を元気づけることになった。転校していった清美と、いじめられっ子だった山本小春(小島藤子)が好きだというアンジェラ・アキのヒット曲「手紙 ~拝啓 」がBGMだ。
デビュー当時は天才ローティーン女優だと思われた成海だが、『武士道シックスティーン』にしてもこの映画にしても精彩を欠いているような気がした。しかし、桜庭ななみと高畑充希の演技がとてもいい。この手の青春ストーリーはキャラにどれくらい入れ込むことができるかが評価の分かれ目になるものだけど、この二人に感動させられた。成海の父との葛藤場面とか、それほどでもなかった。また美央(山下)の母(宮崎美子)がよかった・・・
アンジェラアキの曲はそれだけで涙が出てくるほど好きな曲。こんな見方じゃ正当な評価はできんな・・・
最近こういうのに涙腺やられる
よくある女子高生部活動青春もの。
今回は書道。
書道って部活や青春とは結び付かないけど、書道パフォーマンス甲子園とすることで青春ものに仕立てあげている。
よくある産休の先生に替わって部活の顧問になる先生が好影響を与えるってのもしっかり踏襲されている。
そして実はその先生も自分の進路に悩んでいるっていうパターン。
定石を踏んで何ら奇をてらわない。
正統的な作り方。
還ってそれで安定した涙腺緩みにつながる。
こういうのみると、当時と現在の若手女優の番付の変遷もみられて一興。
ガールズムービーなのに《用心棒》スタイルの矛盾
どうやら、日本テレビ系列の地方番組で追い掛けたドキュメンタリーが、基になっているらしい事を観終わった後に知った。
某巨大掲示板曰わく、公開前の“うざすぎる”と言われている大宣伝は全く知らずにいた。
四国は愛媛県の地方都市。
街を象徴する大きな3本の煙突。(本当は沢山存在する)
不況に喘ぎ小さな商店街は閉店ラッシュで寂れている。
この街を代表する産業で有る筈の紙の生産でさえ、その煽りをまとも受けていた。
主演の成海璃子だが、どうやら父親は書道で有名な人物らしい。彼女自身もその血筋を引いており、己の精神修行の先に書道は存在すると考えていた。
そして、そんな彼女に反発する部員が相次ぎ、書道部は危機に瀕していた…。と、そこに1人の臨時教師が現れる。
…?ちょっと待てよ?これではどうしても、最近公開されたばかりの『武士道シックスティーン』と被る箇所が気になってしまう。※1
彼女の元友人役で出演している山下リオも同じく『武士道…』組だ。
実は『武士道…』の方が撮影自体は一年近く前にあたるらしいのだが、そんな事は観客は知らない。どうしても後発の作品には分が悪い結果に成り易い。
いや寧ろ間が悪いと言った方が適切だろうか。
そんな不協和音漂う書道部に、ふらっと産休の先生に代わりに臨時の教師がやって来る。
日本テレビがバックに居る関係上、これは解り易さを重視した娯楽作品だと思う。そんなところはこの臨時教師の存在を見たら明らかだ。
現実の顧問の先生はどうやら途中で辞任するらしい(日本テレビのサイトに何年何月何日放送先生の辞任…放送等)記載が載っていた。
そんな事実が在るが、脚本自体はふらっとやって来た先生が、彼女達を指導して結果を残し、最後はまたふらっと去って行く…かの様な《用心棒》スタイルを取っている。多少事実と違っても別に問題は無い。でもガールズ映画として製作が始まったので在ったならば、この脚本上の臨時教師の描かれ方は脚本上の勇み足の様に感じられた。
確かに幾つかの助言や、体力的な指導場面は描かれてはいたが。それでも、5人を中心に据えたガールズムービーで有る以上、色々な事柄を乗り越えて行ったのは彼女達自身の友情を中心とした力の結晶の賜物だった筈なのだが…。
ちょっと重箱の隅を突っつく感じになってしまうのがどうかな?とは思いつつ、どうしても気にはなるのでその他でも気になった事を記載して於くと…。
街は寂れる一方に描かれているが、象徴的な煙突が有る以上は何らかの産業で街は成り立っている…と見た方が正しいのでは無いか?それでは、この街が廃れて行っている原因は一体何なのか?それがはっきりとしない。
その関係で行くと、高田工場の一件も果たしてどうなのだろうか。
一生懸命作った紙なのに。悔しさを表しながら紙を○やす描写は許せるのだが、どうもその後が…。
ここもやり過ぎの様に受け取れた。《王道》とか《ベタ》な展開では在ったが、その前にちょっとでも観客に“不快感”を与えたら失敗とまでは言わないが、本来やってはいけないのでは…と思った次第。
そして最後のパフォーマンスの場面。あの場面こそ《王道》や《ベタ》の集大成的な場面だ。
あの場面をすんなりと描けたらそれこそ奇跡に近い。
娯楽性を重要視した為の弊害と言えるのかもしれない。
かなり苦笑しながら観てしまう場面だったのは確か。書道パフォーマンスをやろうと決めた時から、そこに至る一連の流れはなかなか良かっただけに。その瞬間娯楽映画としての在り方には「あ?やっぱり!」と思いつつ、「やっちまったか〜」…と。
…そんなつらつらと文句は並べたが、全ては作品を盛り上げる為と理解はしている。そりや、坂田三吉には小春が必要ってものだろう(笑)
流石に最後の“あの場面”こそ苦笑しながら観ていたが、そこまでの流れはなかなか良かった。ちょっとウルウル来ていた位だった。特に曲の選択が良かったと思う。でもこれは事実通りだったのかな?いずれにしても、女の子同士の友情物語として秀作だったと思う。
ガールズ5人の頑張りがこの作品最大の売り。
主人公の成海璃子はどうしてもキャラ・境遇が『武士道シックスティーン』と被るのが勿体無い。
逆に同じ『武士道…』組の山下リオは、目立たなかったあちらと違い。最後に書道部真の精神的主柱として存在感を示す。母親役には今や芸能界の漢字女王宮崎美子。「まさか漢字指南するんじゃないだろうな?」とハラハラして観ていた(笑)
臨時教師のパフォーマンスを観て目覚める、影の主役と言えるのが高畑充希。彼女の街を、小春を、書道部を思う頑張りがみんなの心を1つにする重要な役所だった。
その小春役には小島籐子。
普段から居るのか居ないのか解らない目立たないキャラの為に損をしているのはやむを得ないところ。それだけに、彼女の発言場面が、周りを動かす。
そして、他の4人にとって一番かけがえの無い存在が、副部長役の桜庭ななみ。彼女が居たからこそ書道部が成り立って居ると言って良い。
やたらと「感動した!」と言っては抱きつく時の可愛らしさがとても良かった。さあ!おじさんにも抱きついておいで。…ごほっ!
臨時顧問教師の金子ノブアキは、本当は物凄い書道の達人らしい役柄。それなのに常に携帯ゲーム機を手放さない謎の男。ほんの一瞬だけ過去を話すセリフは在るが、最後まで謎の男のまま最後まで貫く。
面白い人物では在るが、これだと如何にも続編が有りそうな終わり方になって居るのが、どうしても気に掛かる。
日本テレビで本当に続編を製作する気が在るのなら別ですが。その場合、この作品での主要な5人の女の子達は出演出来ないだろうとは思いますが(悲)
※1 当時2作品の公開時期が被さってましたね。
(2010年5月18日ユナイテッド・シネマ豊洲/スクリーン3)
書きたいって気持ちが伝わってくる。
映画「書道ガールズ!! わたしたちの甲子園」(猪股隆一監督)から。
毎年愛媛県四国中央市の「四国中央紙まつり」に行われている
学生の書道大会をもとに製作されたようだ。
「書道ってのは、己とトコトン付き合うところから始まるんやから」
「書道というもんは、己と静かに向き合うものなんよ」
そんな四国の訛が耳について離れなかった。
「音楽聴いて、暴れながら書くなんてあり得ん」
そんな常識を打ち破り、全国的なイベントへと広がっていく。
映画的には、物足りなさを感じるが、鑑賞後、ネットで調べたら
YouTubeでも、大会の様子がアップされていて、
その面白さは、しばらく観続けてしまったほどである。
大会は既に5回を数え、平成23年度は
東北大震災で被災された高校生を本大会観戦にご招待。
平成24年度は、被災地支援枠設置をし、
宮城県・岩手県から3校出場したという情報を知った時、
若い人たちの企画する、こういうイベント支援もいいな、と思った。
書道家の父親が断固抗議に学校を訪れた時、書道部顧問の先生が
書道部の部室に案内し「再生」と書かれた大きな文字を見せてこう言った。
「いい書でしょ。書き手の楽しさが伝わってくる。
書きたいって気持ちが伝わってくる。僕が忘れてた気持ちです」
常識の枠から抜け出せない大人たちがうらやむ、そのパワーこそが、
この作品の魅力と言えそうだ。
基本の筆遣いとか、文字のバランスとか、そんなことが問題ではなく、
「書きたいって気持ち」が、どう表現されているか、
実話として、東北から出場した高校生たちの叫びがとても気になる。
あとで、ネットで確認してみようっと。
悪くない感動作だけど、どうして作られたんだろう
初めに断っておくと悪くない作品です。ハイライトシーンでは、実際に涙しました。主演の成海璃子も素晴らしい。でも、この手の作品ってテンポが大事だと思うんだけど、2時間に及ぶ上映時間は、やはり無駄があると思えて仕方ない。あと、山下リオのキャラが前半と後半で急激に変更されていて違和感を感じた。
それから映画自体に罪はないけれど、そもそも他の競技に比べて圧倒的に競技人口が少ない書道パフォーマンスを題材にして、映画がヒットすると思っていたのだとしたら、大きな勘違い。
最初の話に戻るけど、いかんせんテンポが悪い。同じカテゴリーの作品で言うと、古厩智之監督、長澤まさみ主演の「ロボコン」(小栗旬、伊藤淳史、塚本高史も出演)の方が、断然完成度は上。まあ、こちらにしても作られた経緯が謎だけど、映画デビュー間もない長澤まさみの瑞々しい演技は必見ですよ。
ベタだけど
ベタだけど泣ける青春映画
難を言うなら女の子達の演技をもうちょっと…ややわざとらしかったかな?
書道甲子園をやりはじめようとした学校が一番部員も少なく作品にひねりがないってのも…他校の書道もみていて楽しいのだけど書道甲子園初回開催ならもっとレベルを落とさないと、なんだか主人公たちのレベルとのバランスに差が…
でも感動したっ
青春の汗はいい。
高校の書道部部長は、書道家の家に育ち、
才能あって、かつては数々の賞をとってきたが……
武士道シックスティーンと同じ? と思ったけど
実話をもとにした町おこし青春物語。
途中までは所々笑えるシーンはあるものの、
全体的には盛り上がりに欠ける感じが続く。
ところが、ラストに向けて徐々に盛り上がってくる。、
ついに肝心の書道パフォーマンスで、
あっと思うような大ピンチに見舞われる。
そして誰もがこれで終わったと思ったその時
会場から歌声が響いてくる。
このシーンは感動しましたね。
終演後もしばらく「手紙」の歌が頭に残るほど。
書道パフォーマンスは見事のひとこと。
音楽にあわせて、体いっぱい“墨”で自己表現する。
体育系なんですね。青春の汗はいい。
吹き替えなしとのこと。すごいね。
成海璃子も良かったが、周りも良い。
脇役の男子三人が、いい位置を占めていた。
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