「一娯楽映画として楽しいが、キャラデザインなど好き嫌いが分かれそう」ランゴ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
一娯楽映画として楽しいが、キャラデザインなど好き嫌いが分かれそう
ジョニー・デップとゴア・ヴァービンスキー、「パイレーツ・オブ・カリビアン」の主演&監督コンビによるCGアニメ。
正直、「パイレーツ〜」のシリーズ後半より面白かった。
ペットとして飼われていたカメレオン。思わぬ事故で迷子になり、水不足が深刻なさびれた西部の町に辿り着く。“ランゴ”と名乗り、ひょんな事から保安官を任され…!?
随所に散りばめられた西部劇へのオマージュが楽しい。
名も無き主人公がふらりと立ち寄ったさびれた町、荒野の追跡、一対一の決闘、町を牛耳る陰謀…西部劇のあるあるやお約束がてんこ盛り。そのまま実写にしてもいいくらい。
音楽も結構遊んでおり、モリコーネ風マカロニ・ウエスタン音楽、カントリー音楽、「地獄の黙示録」のお馴染みの音楽、ハンス・ジマーが担当しているので「パイレーツ〜」風の音楽などなど、ニヤリとさせる。
アニメーションなので実写では不可能なアクションや自由自在なカメラアングルも楽しい。
主人公のカメレオン、ランゴのキャラクターがユニーク。(尚、“ランゴ”というのは本名ではない)
性格はとにかくお調子者。ヒーローに憧れており、口だけが達者で、自分を英雄に祭り上げた話をベラベラと得意気に話す。
そのせいで保安官を任されるが、いざピンチの場面ではあたふたあたふた。
しょうがない奴だなぁ…と思いつつも、何処か憎めない。
勿論、全て嘘っぱちである事がばれ、町を去るが…再び戻ってくる。
名は無くても自分は自分。町に辿り着いたのも偶然ではなく、何かの運命。
お決まりの展開だけど、いつの間にかこのお調子者のカメレオンを応援しちゃってるんだな。
ジョニー・デップら人気俳優が声の出演。
通常のアニメのようにただアテレコしたのではなく、俳優が実際に衣装を着て演技をしながら担当しているので、ハマり具合が見事。
特にランゴは、喋り方から身のこなし方まで、どんどんジョニー・デップに見えてしまう(笑)
娯楽映画としてはほぼ完璧。
だけど…
登場キャラクターが爬虫類や両生類が多く、しかも結構リアルでキモい。
爬虫類や両生類が苦手な方には敬遠されそうだし(特に女性に)、ファミリー向けかと聞かれると疑問。
ここら辺、好き嫌いが分かれそう。