「「プラダを着た悪魔」のようなアクの強さに欠ける」恋とニュースのつくり方 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
「プラダを着た悪魔」のようなアクの強さに欠ける
若い女性が主人公のサクセスストーリーものだが、文字通り成功を収めた「プラダを着た悪魔」に比べると、パワーも洒落っ気も格段に落ちる。
俳優を見比べても、主役のアン・ハサウェイ、一筋縄で動じないメリル・ストリープ、やさしい味方のおっちゃんスタンリー・トゥッチらに軍配が上がる。
ハリソン・フォードの頑固ぶりにしても、最近の役柄からいって意外性がない。
いきなり取って付けたようなスクープも底が浅い。
なによりも、レイチェルに当座のライバルがいないのが敗因。逆境の設定に追い込みの甘さがある。恋人のアダムも妙に物分かりがいい。
むしろ興味深いのは、「プラダを着た悪魔」では、アンディが自身の志望であるジャーナリストへの道を選び、敢えて仕事中心の生活に飛び込んでいったのに対し、今作のレイチェルはプライベートに重きを置くことの大事さに目覚めるという、まったく正反対の結末を迎えるところにある。
ちょうど5年違う2つの作品、このたった5年の間に世の中の情勢は大きく変わり、仕事一筋の未来に希望を見いだせず、冒険するよりは皆で仲良く仕事を分け合う、そんな今どきの背景が反映された結果なのだろうか?
コメントする