必死剣鳥刺しのレビュー・感想・評価
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この時代の生活の所作の一つ一つが心を洗われるようで美しい。 まさに...
この時代の生活の所作の一つ一つが心を洗われるようで美しい。
まさに、生活が美学のよう。
冒頭の上様の妾を殺害したシーンや、"必死剣 鳥刺し"には衝撃を受けたが、1番印象に残るのは「悪い女」と「良い女」が出てくるということ。
この二つの女性像を見て‥今の自分に置き換えて色々と考えさせられる。
ラストシーンの毎日、息子と迎えを待つシーンの純粋さが心苦しくもなる。
正義感の強い男と真の良き女だからこそ、幸せになってほしかった‥
武士としての、人としての、誇り。
時代劇専門チャンネルで鑑賞。
原作は未読です。
妻を失い、死に場所を求めて藩政の悪種となっていた藩主の愛妾を殺めた兼見三左ヱ門(豊川悦司)。
しかし、死ぬことを許されず、藩の黒い陰謀に利用されたばかりか、武士の矜持すら踏みにじられ…
クライマックスの凄絶な殺陣に心揺さぶられました。
気迫に満ちた男ふたりの激闘も去ることながら、藩の思惑に振り回された挙げ句、理不尽にも討たれようとする三左ヱ門でしたが、秘剣"必死剣 鳥刺し"でもって一矢報いました。
しかし、その剣は名前の通り最期の一撃必殺の剣技にして、成功の瞬間には命を落としている…。武士として、人としての誇りのために戦い抜いた男の生き様に胸を打たれました。
あれだけ切られて、まだ??
「隠し剣鬼の爪」が面白かったので期待してこちらも拝見しました。
冒頭まもなく主人公がいきなり屋敷内で剣を使って人を斬るところから始まり、彼が只者ではないことを示唆するシーンと言えますが、みなさんがおっしゃる通り、主人公である豊悦さんの上半身が剣の達人である体ではまるでないので、この人が剣の達人であるということは後半まで理解してませんでした。2回もお風呂のシーンがあるのですから、やはり豊悦さんには剣の達人であるべき肉体であって欲しかったし、映画の中でもそれを彷彿とさせるシーンがほしかったです。
時代劇として、ふすまを開ける所作などはよかったですが、昔の時代劇には家に上がるときに足を拭く場面があったり、身分の高いご別家様あたりには必ずお付きの人くらいいたと思うのですが、まったく一人で殿のお屋敷に向かったり、ストーリーとは直接関係ありませんが、そういう細かい点が手抜きされている感じがしました。時代劇とはストーリーも大事ですが、そういった「間」というか、ちょっとした風情も楽しんだり、リアリティも大切だと思うのです。
また、ストーリーとしてはラスト近く、主人公が上司である岸部一徳に秘剣を使って殿を守れと命令されたあと、彼を慕う姪に「必ず迎えに行く」と言ったのは矛盾する気がしました。秘剣を使わずとも「ご別家様」に勝つことができると思ったのでしょうか??
それにしてもラストの斬り合いはいくら見せ場とは言え、どれだけ斬られてもなかなかこと切れない主人公が超人過ぎる。それまでに斬られた人達があっさり死ぬのでその差が際立ちます。それだけ彼の腕が良く、周りが下手ということ??あと血が噴き出しすぎ。
主人公と姪の一夜のシーンは不要とも思ったけれど、主人公との約束を待つ姪と彼との一粒種の赤ちゃんとのラストが生きてくるのでありかと思い直しました。「四十七人の刺客」のラストを思い出しました。
豊川悦司と吉川晃司はよかったが・・・
藤沢周平原作は山田洋次さんの監督作品を見慣れてしまったせいか、この映画の運びについては何故か違和感、多少の時代劇臭さ、みたいなものを感じてしまった。
ストーリーとしては暗愚な殿さまに対するカタルシスが不足か。
また池脇千鶴さんはたいへん素晴らしい女優さんですが、もう少し可憐さ、華のある人を配役すれば主人公が感じたはずのせつなさが際立ったはず(池脇さん、本当にごめんなさい)。
死しての最期の一撃
藤沢周平の時代劇小説の映画化。
本作が公開された2010年は時代劇の当たり年。「最後の忠臣蔵」「十三人の刺客」のような良作もあれば、「座頭市 THE LAST」「雷桜」のような凡作もあったが、本作は勿論当たりの方。秀作と呼ぶに相応しい。
開幕早々、ただならぬ事態が起きる。
とある藩の藩士が、女を刺殺する。
藩士の名は、兼見。
女は、藩主の愛妾。
一体、何故…?
この愛妾、藩主の寵愛をいい事に、まるで女帝のように傲慢に振る舞う。藩政にまで口を出し、無能な藩主は言いなり。
藩の行く末を案じる側近たち。
そんな悩みの種を兼見が斬ったのだ。
しかし、それだけの理由なのか…?
兼見には妻が居た。が、病気で亡くし、生きる気力を失っていた。
愛妾の刺殺は、藩の行く末と同時に、死に場所を求めていた兼見の、死を覚悟しての凶行だったのだ。
斬首が当然と思われていたが、1年間の閉門という軽い処分に。姪の里尾が献身的に尽くす。
閉門が解け、再び藩に仕える事になった兼見に、藩主へ謀反を企てている男を斬れとの密命が下る。
だが、この密命にはある策略があった…。
映画は淡々としているが、書いたあらすじのように、じっくり作品世界に浸れる。
死に場所を求め、それを許されなかった“捨て駒侍”の、翻弄された運命が胸に迫る。
兼見ともう一人、無情に斬り捨てられた男が。藩主の従弟、帯屋。
彼が藩主に謀反した理由は、身勝手極まる藩政とそれによって犠牲になった民たちへの怒り。
決して悪人ではない。ただ藩主にとって“邪魔者”だっただけ。
二人が剣を交えるクライマックスは緊迫感溢れると共に、背負わされた罠と背負った背景の哀しみが浮き彫りになる。
“必死剣鳥刺し”…
踏みにじられた人としての尊厳、武士としての誇りへの、その名の通り死しての最期の一撃。
豊川悦司が名演。佇まいが素晴らしい。
静かに怒りに震える吉川晃司も秀逸。
岸部一徳のさすがの狡猾さ、村上淳の馬鹿殿もさることながら、関めぐみのビ○チぶりに天晴れ。地味な女優だけど、これまで見てきた中ではベストパフォーマンス。
平山秀幸の正統派演出は、匠の技。
池脇千鶴もしおらしい好演だが、ラブシーンはちょっと蛇足に感じてしまった。淡い想いのままの方が良かった気がする。そこだけ残念。
久々に面白かった時代劇。
役者陣の熱演が光る時代劇。最後に明かされるこの妙な題名の意味。正にあっと驚く何とやらで、伏線も効いていて自分は純粋に楽しめた。殺陣シーンも迫力があって、あれだけ血がドバドバと出る時代劇は久しぶりに見た。ラストシーンで池脇千鶴演じる、里尾が抱いていた赤ん坊は、あの一夜の契りで生まれた子なのか? それを考えると安易にハッピーエンドにしなくて、武家社会の非情さと悲恋を際立たせて余韻が残る。
主人公の資質不足
総合65点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
まず主人公の兼見三左エ門を演じる豊川悦司、体型がたいして筋肉もないし細いわりに脂肪もあってたるんでいてだらしない。一年間の蟄居の後の風呂で見せる体がやつれていないし、それからさらに二年後の風呂の場面でも同様の体型。たしか剣の達人なのだから、二年もたてば鍛え直していなければろくに剣を振ることも出来ないはずだ。それでは剣の達人である吉川晃司演じる帯屋隼人正と戦えないでしょう。せめてやつれた体か鍛えた体かどちらかに合わせて撮影に挑んでほしかったが、役作りが甘いのではないですか。女優として名声を確立していながら、猛特訓して肉体改造して『G.I.ジェーン』で特殊部隊兵士役に挑んだデミ・ムーアを少しは見習ってほしい。
客観的に見て一番正義感があって勇気と力もあったのは吉川晃司だが、ちょい役でしか出てこないため彼の人物像に迫れていないのは不満が残る。これでは中途半端な役回りで終わっていた。案外気に入ったのが、寵愛をいいことに藩政に干渉する連子を演じる関めぐみの演技。こういう立場を勘違いした理屈の通じない組織の害毒って時々いるよなと、現実に存在する人々の姿と照らし合わせて関心してしまった。
重大犯罪を犯して殿様にも嫌われている様子でもそのわりに家老に助けられたということで、家老が黒幕で何か陰謀が進んで、いずれその捨て駒に使われるのだろうという物語の流れはすぐに読めてしまった。この時代なんて不合理が普通にゴリ押しされてまかり通って、それでも階級の低い者はそれに甘んじなければならないというものだろうから、それはそれでいい。
だが一度は藩のために命を捨てる覚悟で連子を殺した兼見であるのに、藩を混乱させ続ける馬鹿殿様のために再び命を張ることを覚悟するという展開に疑問を持たなかったのだろうか。それとも封建時代の社会制度には逆らえず思考を止めて流されてしまったのか。個人的にはどうせ命懸けならば、帯屋と組んで藩政を改革するくらいの覚悟を決めてほしかった。黒幕一人くらいは退治したところで、一番の正義が死に一番の悪が残され、それが主人公の決断のために引き起こされたという物語は決してすっきりするものではない。
別にめでたしめでたしと終わってほしいとは思っていないし、勧善懲悪でなければならないとは思っていない。だが兼見の見せる覚悟に、主人公としての資質が足りないように思えるのだ。この程度ならば、最初の行動は妻が死んでやけっぱちになっただけともとれる。これならば帯屋が主人公であったほうがまだ良かったかもしれない。題名にもなった剣術の必殺技が一つの見所なのだろうが、こちらのほうも現実性がなくて納得しかねた。
ただ時々見せる時代考証のしっかりとした所作は良い。城の中で兼見が襖を開けて入っていく姿が実はかなり気に入っている。
なぜバカ殿を…監督の力量の限界か(重度ネタバレ)
本作は庄内地方でのロケ。自治体のバックアップ、細かい所作も再現されており、抜群の雰囲気ですが、いささか「原作のまま」と言った感があります。
人物描写としては、妻の姪との濡れ場が余計。主人公のストイックさがぶちこわしです。また1年蟄居していた割にはふっくらな主人公の裸体(うう)もやけにでてくるのと相まって、緊張感を削ぎます。
本作の見所としては、吉川晃司さんでしょう!!
主人公との対決は稀に見る名シーン。ただ主人公との交流を通し、おそらくは「バカ殿」と対局にあったであろう、彼の思想や心性が描かれなかったのは残念です。主人公とのからみがもう少し欲しかった。
そして、ラストの切り合いですが、往年の名作『切腹』にも劣らない大立ち回りですが「オチ」がいただけない。東映作品なのに、お客に「後味の悪さ」を感じさせてしまいました。
山田洋次・深作欣二監督といったエンターテイメント重視の作家でしたら、おそらく原作を改編し「バカ殿も斬る」「一矢報いる」という展開にしていたと思います。
脚本の流れから、どう考えても「諸悪の根源」は藩主。主人公に思い知らされる、もしくは後に讒言で罰せられる、というフォローがなければ不自然です。
「敢えてラストを変える」という決断ができなかった監督の限界=本作の限界だと思います。
最後の最後で抜かれる「必死剣」のカタルシス
藤沢周平原作の映画化は逃さず見てるので鑑賞。
監督は違えど、これまでの作品同様に抑揚のきいた演出で、たんたんと日常を描いていく。だからこその、最後の最後で抜かれる「必死剣」のカタルシス。すさまじい…。派手な殺陣ではなく、あくまで人間としての生活を描いていくところが本物。
それにしてもトヨエツと池脇千鶴のあのラブシーンは別に描写する必要はなかったのではと…。そのへんも想像させるだけでよいではないかと。あそこだけちょっと違和感。やっぱり『愛を乞う人』の監督だから?w
原作のイメージ通りの完成度!
何年経っても色褪せない映画というものがあるが、この映画はおそらく、少なくとも自分にとってそういう映画になった。
観る前は、豊川さんが兼見を演じると知り”ええ~?あの左膳をやった豊悦さんに出来るの?””また格好つけてるんじゃないの?”などと思っていたが、なんのなんの、はじまるとそんな印象は一気に吹っ飛んだ。薄汚い髭や浮腫んだ顔、少したるんだ身体などは逆に負の凄みと色気すらを感じさせる。
前半、殺陣や動きのあるシーンは少なく、豊川さん演じる兼見の苦しみ自問しながらも淡々と過ごす日常が描かれる。このシーンを退屈と思ってしまう人も多いかも知れないが、衝撃的なラストシーンに繋がって行くにはこれで良い。各所に静かで巧妙な伏線を配しているわけですから。
ただ、村上淳演じる右京太夫が藩主としての薄っぺらさでは無く、村上淳の薄っぺらさになっていたこと。兼見と里尾の濡れ場を描いてしまうと直接的過ぎて興ざめしてしまうこと。
などが幾らか気になりました。
とはいえ、平山監督がこんなにも本格的な時代劇を撮れるとは!久世さんの、昨今の”どうです?凄い殺陣でしょう?”的なものでは一切ない凄みのある殺陣!世界観を壊さず、効果的に場面を支える音楽!どれも一流のスタッフさんが、良い仕事をしていると唸らせるものでした。
ラスト15分からの大殺陣から、豊川さんはこの作品とともに伝説になり、必死剣鳥刺しが、観客の胸に鋭く突き刺さること必至です。
抑制の美学
襖を開け閉めする時の動作。
静かに味噌汁を啜る姿。
これらの何とも無い動作が、鑑賞から一週近く経った今でもやけに頭に焼き付いている。
本作の登場人物は皆、細かい所作や言葉遣いのひとつひとつが実に慎ましく、気品に溢れている。
主人公・兼見が謹慎を申し付けられた後の一年を描く場面はやや単調にも思えるが、移り行く四季と共に淡々と生活を送る彼らの姿には、日本古来の美しさとはこういうものか、と気付かされた気がする。
不平不満や我欲を抑え、己を厳しく律する姿。自分を捨て、人を思いやる心。
それを丁寧に丁寧に描いたからこそ、己のエゴを満たす事しか思考に無い愚劣な連中に兼見が怒りを爆発させるラストの殺陣は、あれほどまでに凄絶な迫力となったのだろう。
それまでの気品をかなぐり捨て、真っ青な顔で相手を睨め付けながら迫る姿はまさに幽鬼。
最後の最後に繰り出される秘剣『鳥刺し』は、取り立てて珍しい動作を見せる訳でも無いのに、その凄まじいまでの執念にゾッとさせられた。
……しかし、どーしても引っ掛かるのは秘剣『鳥刺し』の正体。
中老・津田は人伝にその秘剣の事を聞いていた。それが主人公のみが会得した剣であり、『必勝の剣』であるという事まで知っていた。
寡黙な主人公が秘剣の事を周囲に言い触らすとは思えない以上、主人公がその剣を実践に用いて勝つ瞬間を見たか、或いはそれが編み出された場面を目にした人物がいると考えるのが自然か。
だが『遣い手は半ば死んでいる』状態で繰り出すといわれる秘剣を過去に実践したなら主人公はどうして生き残れたのか。そもそもどうやって秘剣を編み出したのか……謎である。
また、こと切れた状態にありながら、どうやって己の意思で相手を斬れたのか。一種のヨガのようなもので脈拍や“生きた人間の気配”を抑制したのか(鳥を捕らえた時のように?)。それとも純粋に強い執念が為した業だったのか。いや、小刀の封を解いたあたりに何か秘密があるような気もするし……むむむ、これもまた謎である。
理詰めで考えちゃいけないが、そこが引っ掛かって若干の消化不良を感じてしまった。
けど、良作。
派手な殺陣を期待する人には物足りないかも知れないが、活劇では無く人間ドラマとして観れば。
御上の勝手に振り回される慎ましい下級武士の姿は、僕らと完全に無縁な訳では無く、胸に迫る。
……そう言う僕は慎ましさゼロな人間ですけどね。
<2010/7/25鑑賞>
藩主交代。
藤沢周平の「隠し剣」シリーズの中では傑作だと思う。
「たそがれ…」に始まって、これまで様々な監督が
彼の原作を映画化してきたけれども、今回の作品は
内容はもちろん、隠し剣の使い方が見事に活きている。
説明のない冒頭から、フラッシュバックで語られる過去、
どうして主人公は、藩主の愛妾を刺殺したのか。
そしてなぜその主人公に藩は寛大な処分を下したのか。
謎が謎を呼ぶ(一応)ストーリーの面白さもさることながら、
終盤15分の壮絶な殺陣にはコレだ!と思わせる技がある。
トヨエツ演じる三左ェ門の持つ「隠し剣」の技と、監督の
時代劇はこうあるべきという魅せ技が見事に融合している。
藤沢の描く世界には必ず薄幸の娘(出戻り系)が登場して、
主人公と恋仲になったりするケースが多いので、その辺を
ツッこむとキリがないのだが^^; ファンがこのシリーズで
観たいのは、そんなものより(ゴメンね)、殺陣と技、である。
それが活きてこないと、せっかくの話も面白く感じられない。
地味で目立たない平侍が持った、特異な剣技なのである。
CGではなく血糊を使った「アナログ手法」を用いたため、
それは出すぎだろう!?と思うほど噴き出すシーンも多数
あったが^^;まぁ…そのあたりは不必要な濡れ場と合わせ、
目をつむることにする。。
鳥刺しという技を、子供に伝授して見せるシーンがある。
その和やかなシーンと(それがどういう技か)中老・津田に
説明するシーン(どんな時に使うのか)をよく覚えておくと、
あとでかなり見応えがあると思う。この作品はそんな風に
説明空間と実技(?)空間が前後に顕れるところが面白い。
観ているこちらに解説してくれるかのごとく、だ。
病弱な妻に鳥刺しを見せ、そして閉門された屋敷内では、
亡き妻のために鳥の木彫りを作る。その鳥も役割を持つ。
悲運の武士を演じたトヨエツは文句の付けどころなしだが、
彼を上回る印象を強く残すのが御別家・帯屋隼人正を演じた
吉川晃司。後半、刀を交わすことになる二人が、実際には
誰よりも藩と農民のことを考える尊大な人物であったこと
が深く胸に突き刺さり、闘ってはいけない同士が不条理に
刀を交わす無意味をその後の展開でまざまざと見せられる。
津田を演じた岸部一徳が物語のカギを握る人物となるが、
彼もまた巧いので最後の最後まで展開は読めないと思う。
それにしても、あんな藩主では海坂藩も終わりだ。。。
(一瞬プレデターを彷彿とさせるシーンが…あるけど、違う^^;)
最後が強烈
藤沢周平の作品はほとんど鑑賞しています。花のあとよりロマンス度はすくないのですが池脇さんとの恋が救いになっています。政治に口を出す側室を豊川さんが殺めるシーンからはじまり、岸部さんの一言で、切腹はまぬがれ、幽閉ののち、お殿様付きの役どころもらうのですが、政敵を殺す為にもちいられたみたいです。結局最後は命を落とすのですが、必死剣鳥刺しの意味が最後で分り納得でした。
一人の武士が貫こうとしたもの。
特に好きな俳優さんが出演しているわけでもなく、そんなに期待もせず見てきました。
武士であっても、今でいうサラリーマンだ。
上司の命令には逆らえない。
死ぬことさえ許されない。
そんな男が感じる、運命の不条理、裏切り、策略。
口下手で、不器用な男の行動。
気高さを感じた。
ラストまでの「静」の部分は、長くも感じたが、退屈はしなかった。
最後の15分間の「動」には、目が釘付けになった。
この時代劇は、殺陣が生きている。
失血して、顔色が悪くなっていく様や、血しぶきが飛ぶ様子がリアル。
武士とは・・・ こうありたいと思う自分の姿を実行するのだ。
それにしても、連子を刺すのではなく、殿を刺せばよかったのに?!
いくらなんでも、できないか。
「鳥刺し」というネーミングに、少々不満ありだったけれど、見ているうちに納得。
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