「太秦じゃなかったことがいちばんのショック」必死剣鳥刺し chocolateさんの映画レビュー(感想・評価)
太秦じゃなかったことがいちばんのショック
東映の映画なのに、山形庄内の映画村で撮影とエンドロールにあった。なぜ、太秦じゃないんだろう。
写真のような精密画を得意とするイラストレータが話していたけれど、本物をみたままに描いてはダメなんだそう。人の目には、少し手を加えないと本物のようにみえないという。この職人技、時代劇にも大切なんじゃない。
おバカな監督が史実に基づいて合戦をCGで再現しましたなんて、得意げにいっていたけれど、それ問題外でしょう。時代劇は一定のルールを踏まえたうえで、エンターティメントに仕上げるのが職人技。CGで忠実に仕上げたなんて自慢したって、主人公がどこにいるかもわかならい。そりゃ実際の合戦はそうでしょう。でも映画では主人公がどこにいるかわかるような創意工夫、エンターティメント性がない、ぼんくら映画では、とってもじゃないが楽しめない。
その技を持っているのが太秦なのに、それに東映が配給なのになんで太秦で撮影しないんだろう。
で、映画の方は生きる支えを失くして死を覚悟して「連子」を殺害して、里尾と生きることを決めて生にこだわり始めたとたんに決戦を強いられる。
藤沢修平の小説のままなんだろうか。「連子」を殺す才覚がありながら、ぼんくら当主に相対する別家の帯屋隼人正に立ち向うのは、どうも納得がいかなかった。
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