「自分の喪失感と彼らの凄さを再確認した」ミッシェル・ガン・エレファント“THEE MOVIE” LAST HEAVEN 031011 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の喪失感と彼らの凄さを再確認した
チバユウスケ追悼で再上映されたのを鑑賞。昔観た記憶はあるが、その時すでにアベフトシ追悼で製作されたものだったんだな。アベが時折見せる場表情や言葉が切なくてたまらない。ただ、今回の鑑賞はチバ追悼。そう考えて観ているからだろう。ライブの始まりのイントロが鳴り響いたとき、あんなに情熱的で激しいのに切なさと悲しさで涙が流れてしまった。私達の喪失感はとてつもないと実感する。
その後も喪失感で観ているのがつらいはずなのに体が自然と動いてしまうし、腕を振り上げて一緒に叫んだり歌いたくなる。黙りながら座って観るという映画のお作法が拷問のように感じる時間だった。
改めて彼らのライブを観るとその存在感に潰されそうになる。演奏、アクション、MC、どれもずば抜けてカッコいい。あぁ、やっぱ最強のライブバンドだったんだよなと今さら再確認した。そしてオーディエンスたちも素晴らしかった。ラストライブだからということも影響していると思うが、盛り上がりと一体感がハンパじゃない。エンドロールで映し出されるオーディエンスの反応がまたいい。楽しそうだったり満足げだったり、やりきった感のやつもいたし、泣き崩れてるやつや泣きながら感謝を述べてるやつもいた。彼らの音楽と出会って人生が変わったやつもたくさんいたんだろうな。あー、やっぱり行きたかった。その場に行けなかったことを本当に後悔させるものだった。伝説のライブと言っても過言ではない。彼らのライブをこうして映画として記録してくれて感謝しかない。そして今回の再上映も感謝。迫力の音響で観ることができて幸せだった。
そして、エンドロールで流れる「ガールフレンド」って曲がまたいい。「天国がくだらないからぶっ飛んでいたいのさ」って歌詞が、今聴くと別の意味で心に響く。チバとアベにとって、くだらない天国でないことを祈る。