「思い出の合宿所「修能堂」」重量★ガールズ キングコングを持ち上げろ! kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0思い出の合宿所「修能堂」

2022年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ソウル五輪で負傷してしまったイ・ジボン。銅メダルに終わったが、粉砕骨折以外にも拡張型心筋症も発見され、選手生命を絶たれてしまった。2008年北京オリンピックでは、期待の女子選手ヨンジャは腰痛を隠し、ポソン女子中学から中央女子高までを思い出していた。

 挫折と新たなる道。選手としては諦めたものの田舎の女子中学校で新設の重量挙げ部の監督として赴任したイ・ジボン。最初は全くやる気なし。骨折の手術痕を見せて生徒達をビビらせたりするが、校長や教頭の尽力もあり、入部した生徒も彼について行く。

 ウンコのヒョンジョン、ハーバード大に入って将来はFBIに入るというスオク、母親が亡くなり孤独の身となったヨンジャなど、個性的な面々。釣りばかりしていた先生と炊事と食べることばかり強要されて重量挙げもしない辛さ。それぞれの貧困やコンプレックスが一つにまとまる様子をコミカルに描く。

 心筋症の持病と明かされていたので、結末も予想できるのだが、やっぱり泣けてくる。握りしめた手紙と「キングコングを持ち上げろ」というサブタイトルはこんな意味だったのか・・・生徒の体力や健康を心配して直近の試合には出場させない方針だったのも優しさ。ミョンジャがひとりぼっちになったとき、学校側に合宿所を作らせたりする優しさ。何より生徒一人一人の管理をしていた優しさ。選手班と趣味班を分けていた優しさ。実話をもとにしているだけに訴えてくるものが違う。泣けるはず!

 実際の先生はチョン・イニョン。

kossy