劇場公開日 2010年6月5日

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「ちょっと何かが足りてないワケあり男女の、笑えるけど切ない群像劇」シーサイドモーテル ketchup36ozさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ちょっと何かが足りてないワケあり男女の、笑えるけど切ない群像劇

2010年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

別冊漫画ゴラク連載のコミック、岡田ユキオ「MOTEL」が原作。田舎の山のなかにある「シーサイドモーテル」に、ちょっと何かが足りてないワケあり男女たちが集まり、微妙に交錯しながらコミカルで切ないアンサンブルを織りなす群像劇。監督は、『スクールデイズ』に続いて本作が2作目となる守屋健太郎。

いわゆるアメリカンな感じのロードサイド・モーテルの、ひなびた感じの雰囲気が、抜群にいいですね。
“VACANCY”とか電飾でちゃんと入ってる。
その意味では、この映画の本当の“主役”は、このモーテルそのものなんですね。

主演は“ジャニーズの枠には収まりきらなさそうな”活躍が期待できる、生田斗真。
がんばってはいるのですけれど…共演するメンバーが実力派揃いなものだから。

伝説の拷問職人・ペペ役の温水洋一には凄味すら感じるし、長身で体の柔らかいキャバ嬢を演じることができるのは山崎真実以外には考えられないし、モーテルの客(?!)10人が、それぞれ“ふっきれた”素晴しい演技で魅せますね。

豪華キャスト11人!って表現が多いようですけれど、
忘れちゃいけないのが警官役の2人。彼らの存在が、いい塩梅のスパイスで効いてます。

で、最も秀逸で光るのは・・・山田孝之?
いやいや、ここは、玉山鉄二でしょうか。
キャラがすごく立っていて、そのチンピラぶりは爽やかですらありますから。
柄本時生とのコンビは、まだまだいろんなこと出来そうです。

田舎のモーテルという設定であることもあり、車もたくさん出てくるのですが・・・
ホンダのアコードとか、ボルボとか、そのチョイスにもセンスを感じます。

決して大作ではないけれど、
笑えるけど切ない、見ごたえのある群像劇に仕上がってます。

ketchup36oz